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『攻殻機動隊SAC_2045 持続可能戦争』を観た

公開日: : 攻殻機動隊 ,

『攻殻機動隊SAC_2045 持続可能戦争』を観た

世界中の国家を脅かす経済災害「全世界同時デフォルト」とAIの進化により、世界は持続可能な戦争「サスティナブル・ウォー」に突入していた。草薙素子をリーダーとする元公安9課のメンバーは、傭兵部隊「ゴースト」として、民間会社からの委託でテロリスト(劇中ではレイディストと呼ばれていた)を掃討していた。

ロサンゼルスでの任務の際、素子たちはジョン・スミスという男が率いるアメリカ軍特殊部隊に連行され、半ば強制的にIT実業家を実質拉致する任務を課せられる。身体能力が驚異的に発達していたその男は、「ポスト・ヒューマン」と呼ばれていた。やがて、トグサと荒巻が素子たちに合流。総理大臣久利須の命により、荒巻は公安9課を再編させる。

』の最新シリーズで、昨年Netflixで放送されたシーズン1に追加映像を加えた総集編とのこと。内容を全く知らずに観たが、期待以上の出来だった。

映像はフル3DCGだが、自然や都市といった背景群、そしてメカ類は、実写かと思うくらいのクオリティの高さだ。キャラクターについては、動きがわずかにカクカクしていること、表情がわずかに固い感じはあること、素子のキャラデザインが少女っぽいこと以外に、違和感はなかった。

前半、公安9課の面々が活動する舞台を海外にしたのは、嬉しかった。『S.A.C.』のときは、大戦時の回想シーンでわずかに垣間見ることができたくらいだったからだ。素子やバトー、トグサらが、日本国内にとどまらずもっと大きな規模で活動する姿を、ずっとずっと見たかった。

押井版では未登場だったフチコマは、『S.A.C.』ではタチコマとなって9課メンバーをサポートしていた。特に『個別の11人事件』では、重要な局面で自己犠牲により危機を救った。今回は、序盤のゴーストでの任務から活躍を見せつつ、日本に戻ってからの並列化するしないでバタバタしているさまは、以前と変わらず愛らしい。ガンダムのハロに近いキャラクターを持った、戦闘兵器ではないかと思う。

声優陣は、主要キャラは(『ARISE』を別とすれば)勿論不動。素子の田中敦子、バトーの大塚明夫、トグサの山寺宏一、タチコマの玉川砂記子と、お馴染みの面々だ。しかし荒巻については、従来の阪脩のほか中博史と両名で担当しているとのこと。新キャラを演じる声優としては、潘めぐみや林原めぐみ、津田健次郎らがいる。ツダケン、ここにもいる。

ストーリーが進行するにつれ、スケールがみるみる加速していくさまは、観ていて圧巻だった。ジョージ・オーウェルの『1984年』をモチーフにしているのも、マニア心をくすぐられる。『個別の11人事件』でのパトリック・シルベストルのモデルは三島由紀夫で、ほんとうは三島で行きたかったが権利上の問題で断念したと、『ユリイカ』で神山健治は語っている。今回は、きっと権利関係はクリアできているのだろう。

Netflixでは、来年セカンドシーズンが放送されると聞いている。少し先にはなるだろうが、その総集編の公開を心待ちにしている。

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