*

マイノリティ・リポート(2002年)

マイノリティ・リポート(2002年)

2054年のワシントンD.C.。プリコグと呼ばれる3人の予知能力者たちを組み込んだ殺人予知システムによって犯罪を未然に防ぐことができるようになり、殺人発生率はゼロパーセントになっていた。犯罪予防局の刑事ジョン・アンダートンは、6年前に息子を殺され、妻とは別居。予知による犯罪取り締まりにのめり込んでいた。

あるとき、ジョンが面識のない男を殺害する予知がされてしまう。司法省のダニー・ウィットワーに追い詰められる中、ジョンは何者かの罠と感じ逃走。システム考案者の博士を訪れる。システムは偶発的に生まれたものであること、3人のプリコグの予知は一致しないことがあり、そのときは多数意見が採用され、少数意見すなわちマイノリティ・リポートは破棄され、プリコグの脳内にのみ存在すると、ジョンは博士から教えられる。

犯罪とは本来未然に防ぐことができず、発生してはじめて警察は動くことができる性質のはずだ、犯罪予知は画期的ではあるが、反面その完全性が問われる。もし予知システムが誤作動を起こしていたら、無実の人を逮捕してしまうことになりかねないからだ。ジョンと敵対する格好になっているウィットワーは、システムの完全性を追求しているに過ぎず、その危うさを知りつつシステムは完全なものとしたいのが、ジョンを陥れた黒幕だ。

キャストは、ジョンに。ウィットワーに。監督はだ。トム・クルーズとスピルバーグが組んだのは『宇宙戦争』が最初かと思っていたが、こちらの方が先で、かつはじめてだったようだ。トム・クルーズはさすがの存在感だが、個人的には当時キャリアの浅いコリン・ファレルが、トム・クルーズと対等に渡り合っていることの方に注目する。

原作はの短編。しかし、スピルバーグは解釈を加え大きく膨らませていて、シリアスでありハイテクでもあり、謎解きの要素もあり、と、エンターテイメントとして見応えのある作品に仕上げている。

関連記事

ナイト&デイ(2010年)

ジューンは、ボストンに帰るための空港でぶつかったロイと機内でも席が近くなり、会話を交わす。し

記事を読む

ロック・オブ・エイジズ(2012年)

1987年。シンガーとしての成功を夢見て、故郷オクラホマからロサンゼルスに出てきたシェリー。

記事を読む

オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年)

地球外の有機生命体の侵略を受けている人類。軍の広報担当ケイスは、戦闘経験どころか戦闘訓練すら

記事を読む

バニラ・スカイ(2001年)

父の会社を引き継ぎ経営するデヴィッドは、自分の誕生パーティーで親友ブライアンが連れてきたソフ

記事を読む

オブリビオン(2013年)

西暦2077年。エイリアンの攻撃によって地球は破壊され、生き残ったわずかな人類はタイタンに移

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑