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ジョン・ウェットンさん(John Wetton)死去

公開日: : King Crimson

John Wetton『Chasing The Dragon』

英国ベテランシンガー/ベーシストのジョン・ウェットンさんが31日に亡くなった。癌で闘病中とのことで、眠っている最中に息を引き取ったそうだ。67歳だった。多くのバンドを渡り歩き、自身の名義でソロ活動をおこなってきた人だが、突出しているのはキング・クリムゾンとエイジアだ。

キング・クリムゾンでは72〜74年の「ヘヴィーメタル期」に在籍。メンバーチェンジが激しく、時期によって作風は変わるが、個人的にはウェットンさんが在籍したこの時期が最も好きだった。アルバム毎にメンバーがひとりずつ離脱するという事態は、週末に向かって突き進むようでもあり、最終作『Red』は、行き着くところまで行き、燃え尽きんばかりの凄まじさと緊張感が漂う傑作になった。ロバート・フリップがここで解散を告げたというのも、頷けるというものだ。

もうひとつは、80年代以降断続的に活動していたエイジアだ。カール・パーマー、スティーヴ・ハウ、ジェフ・ダウンズ、そしてウェットンさんの4人で結成され、4人とも実績のあるバンド出身であることから、プログレ界のスーパーグループと呼ばれた。しかし、長尺でドラマ性に満ちたプログレとは真逆の3分間ポップを目指し、実際商業的に成功。産業ロックと揶揄もされたが、『Heat Of The Moment』『Only Time Will Tell』聴いてしまえば、くだらない雑音など気にならなくなる。

個人的には、ウェットンさんのライヴを3度観たことがある。90年中野サンプラザのエイジア、97年クアトロでのソロ、2006年原宿アストロホールでのウェットン/ダウンズだ。90年のエイジアは、内容についての記憶はほとんどない(汗)。覚えているのは、ウェットンさんの「キミタチサイコーダヨ」というMCくらい。これがお約束のMCだと、後々気づくことになる。

最後に観た2006年のライヴは、正直観ていて厳しいものがあった。スリムだったはずのウェットンさんは肥えてしまい、歌も演奏もノスタルジックで、昔の名前で出ています的な空気になっていた。ジェフ・ダウンズのプレイにより、かろうじて現在進行形にとどまらんとしていた記憶がある。

個人的に最もよかったのは、97年のソロだ。自身のソロだけでなく、エイジアやUKの曲も演奏され、この人のキャリアを横断するセットリストになっていた。そして、クライマックスはクリムゾンの『Starless』だった。前半4分程度がヴォーカル部だが、そこで打ち切られることなくインプロヴィゼーションに突入したとき、場内からはどよめきが起こった。クリムゾンの、いやロック界の極点に行き着いた曲が、ウェットンさんによって再構築されたのだ。

願わくば、クリムゾンでのウェットンさんの歌とプレイを1度でいいから観たかった。謹んで、ご冥福をお祈りいたします。それにしても、去年キース・エマーソンとグレッグ・レイクが亡くなり、そして今回ウェットンさんまで。残念だ。

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