サン・オブ・ゴッド(ネタバレあり)
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最終更新日:2017/12/26
伝記/実話に基づく
イエスは12人の使徒と共に教えを説き、立つことすらできなかった女性の足を直し、カゴを掲げただけで多くの魚を得て民に分け与えるなど、いくつかの奇跡も起こす。しかし祭司たちからは疎まれ、イエスがエルサレムの神殿を指して「石に返る」と言ったことから、イエスを捉えて処罰せんとする。
世界で最も読まれている本は聖書だそうで、この映画は言わば聖書の映画化だ。今までにもイエス・キリストを取り扱った映画はあったが、試写を観た教会関係者の、聖書に忠実に描かれているというニュースが流れていた。ワタシはキリストにも聖書にも明るくないので、(もちろん制作側の解釈も入っているだろうが)結構参考になる。
処刑が決まってしまい、自らが磔にされる十字架をかついで、ゴルゴダの丘まで延々歩かされるイエス。待っているのは死しかないというのに、しかもここまでにむち打ちをされて既に弱っているのに、どうして足を進めることができるのだろう。そして、肝心なときに弟子たちはほとんどいない。イエスについてきたのは、マグダラのマリア、ヨハネ、そしてイエスの母のマリアくらい。イエスを裏切り権力者側についたユダは、事の重さに耐えきれず自殺している。
そしてついにイエスは磔にされてしまい、神のことをfatherと呼んで、なぜ自分を見捨てたかと言い、また、何か未来の光景を見て(劇中、イエスは余地能力があったことが何度か示されている)、最後は満足げな表情を浮かべた(その後神殿が崩れはじめる)。イエスの遺体は洞窟に安置されるが、その3日後に幻とも思える奇跡が起こる。
いちおう国はイスラエル人の祭司が管轄しているものの、ローマ帝国の統治下にあり、ローマには納税しなくてはならない状況だった。祭司たちはイエスを処刑したいが、ローマの提督はイエス本人と直接話した結果、罪にあたるところは何一つないと判断。しかし立場があるため、罪人とイエスを並べ立て、民衆にどちらかひとりを生かしひとりを処刑することを選ばせる。イエス側の民は神殿から除外され、権力者側の民たちの歓声によって、イエスの処刑が決まってしまった。提督は、十字架にイスラエルの王と刻むよう命じた。イスラエル人同士のもめ事をくだらないと思いつつ、イエスには敬意を払ったのだ。
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