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手塚治虫・現代への問いかけ-ヒーロー ブラック・ジャックからの問いかけ

公開日: : 最終更新日:2021/02/07 手塚治虫

手塚治虫『ブラック・ジャック1』

NHK-BSで4日連続で放送される手塚治虫の特番、3日目はブラック・ジャックを軸にされていた(2日目は鉄腕アトムがテーマだった)。

まずは、息子の手塚眞が原作連載時の背景や状況などを語った。劇画が台頭し、少年ものを中心に描いてきた手塚は行き詰っていたとのこと。そんな中で少年チャンピオンに『ブラック・ジャック』の連載が始まったが、編集部側からは「一話完結」「読者の反応が悪ければ4回で打ち切り」という、厳しい条件が課せられたそうだ(手塚治虫に向かってなんてことを、という気もしてしまった)。結果、『ブラック・ジャック』は大好評となり長期連載に。

スタジオには、医師で作家の海堂尊(『チーム・バチスタの栄光』を書いた人)を招き、手塚眞、アナウンサーの3人で話を進めていた。手塚眞と海堂とは、同世代だそうだ。ブラック・ジャックは無免許医だが腕は天才的という医師で、劇中には安楽死を推すドクター・キリコという医師も登場。生物は自然に従って生きて死んでいくのに、人間だけが医学により生きながらえようとするのは傲慢というキリコのことばを否定するのは、簡単なようでいて実は難しい。海堂は、医師というのは誰しもキリコの意識をどこかに少しでも持っていつつ、それに抗っていかなければ的なことを言っていたのが興味深かった。またよく知られていることだが、手塚治虫も医師免許を持っている。

『ブラック・ジャック』の映像も2本流されたのだが、いずれも観たことのない作品だった。ひとつめは、難病の息子を治療するために、禁止されている国外脱出を強行して日本に来た男とその妻の話。ブラック・ジャックは息子とその母を結合させる手術を行い、成功させている。ふたつめは、公害に汚染された魚を食べたことで骨や関節に異常を来すという、水俣病をモデルにしたかのような内容だ。ひとつめは原作のタッチに近い絵柄で、ふたつめは『あしたのジョー2』のような大人っぽいタッチだが、どちらも原作を踏襲しつつ内容を膨らませた見ごたえのある仕上がりになっている。

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