Disc1〜3はライヴ盤を除く6枚のオリジナルアルバムからほぼ全曲集的に収録。Disc4はシングル、カップリング、未発表テイクを収録したものだ(インスト曲が多く、ここにもフェリーの美学の一端を垣間見ることができる)。ブックレットにはバンドが取り上げられた雑誌の表紙やシングルのジャケット、及びこれまでのアルバムの内ジャケのほか、表ジャケの別テイクも掲載。CDもピクチャーディスクだ。音とアートにこだわったバンド、ロキシーの活動がこの中にほぼ集約されている(日本盤が廃盤なのが残念だ)。

　アルバム『Manifesto』に伴うツアーを収録したもので、TV番組の収録用でもあったようだ。選曲は偏ることなく、ほぼキャリアを総括。バンドのテンションは普通だが、客のテンションが後半に異様に高くなるのが見ていて面白い。カメラが赤いジャケット姿のフェリーばかりを追いかけているのが不満で、ライヴを収録したものというよりは、このころのイギリスのテレビ番組というのはこんな作りだったのかな、という出来になっていると思っている。

　ロキシー映像モノの決定盤。アルバムの発表やツアーをほぼ年代順に紹介していて、収録曲はなんと40曲。完奏曲こそほとんどないものの、バンドの活動を知るには充分すぎる価値がある。フェリーとイーノが同じ曲で歌っているのがひとつのアングルに収まっているのはヨダレものだし、ソロ活動はフェリーやイーノだけでなくアンディ･マッケイやフィル･マンザネラのものも収録。ジャケット撮影の模様もあり、70'sのバンドでここまで映像としてまとまったものがあることは奇跡的だと思う。