ロック界では、実績を残したバンド出身者で構成された新たなバンドを"スーパーグループ"と呼んでいるが、ブラインド･フェイスはその元祖的存在。バンドはスティーヴ･ウィンウッドがまとめ役となり、音の方も彼のヴォーカルとキーボードが主体となっている。しかしツアーではクリームやトラフィックを求めるファンに応じざるを得ず、これがクラプトンとウィンウッドのジレンマとなり(そしてジンジャー･ベイカーにとっては望むところとなった)、残念ながら本作1枚のみの短命バンドに終わってしまった。オリジナルは6曲だが、終盤2曲がCD化以降に追加されている。

　オリジナル6曲に未発表曲を追加した盤で、バンドのレコーディング風景を垣間見ることができる。クリームのときは、客を前にしていないにもかかわらず緊張感漂う演奏が多かったが、こちらは音と演奏の方法論をいろいろと試している様子だ。このバンドはクラプトンでもクリームでもなく、スティーヴ･ウィンウッド色が強いと言われている。しかし少なくとも制作途中の段階では、クラプトンのギターが冴えまくっていることがわかる。