テーブルの上には、水の入ったグラスやボール、お皿などがあった。ダンサーくんが給仕役となり、サラダを持ってきて4人に取り分けるのだが、なんと箸を使っていて笑った。そして4人は、ほんとうに水を飲んだりサラダを食べたりしている。その脇で、ベックは小ぶりなアコギを弾きながら『Lost Cause』や『Sunday Sun』、そして『The Golden Age』という、『Sea Change』からの曲を披露。緩〜い曲調と食事パフォーマンスがシンクロしていて、こういうアイディアを思いつき、そして実際にやってのけてしまうことに感服する。
ベックの演奏はほとんど間を取らずにメドレーのように続けられるのだが、ここでなんとピクシーズの『Wave Of Mutilation』のサビの部分が披露された。ベックのカヴァーって、ありそうでなかった気がしていてとても新鮮に感じ、しかもセレクトがピクシーズだったものだから、個人的にはとても嬉しかった。そしてこの後だが、ゆるゆるモードだったのが『Nausea』でシフトチェンジし、アップテンポでビートを刻むモードに。そして『Clap Hands』となるのだが、ここまで来るとテーブルの4人は手にしているフォークやナイフでパーカッションプレイを始めて演奏に加わり、更にはオーディエンスが文字通り手を叩いて応え、エモーショナルな形で本編が締めくくられた。
すぐさまアンコールとなるのだが、まずはバンドメンバーが先に登場してスタンバり、キーボードの人がステージ前方に躍り出てラップを刻んだので、「あの曲」だとピンと来た。そして最後に登場したベックは、「I got two turntables and a microphone〜♪」というフレーズを繰り返していた。先ほどラップを刻んだメンバーがキーボードセットに納まり、鍵盤でイントロを弾き始めたところで、いよいよ「あの曲」であると確信。それは、ベックの看板的な曲としてはこの日唯一披露されたことになる、『Where It's At』だ。