7時5分過ぎくらいに客電が落ち、場内がざわつく中メンバー入場。そしてキーボードの人は、さっきのTシャツ兄ちゃんだった。なんだ、メンバーだったのか。。。それはともかく(笑)、『Show Of Strength』でライヴはスタート。ステージは、中央にはもちろんイアン・マッカロク。ジャケットにジーンズというラフなスタイルで、サングラスをかけている。体型は中肉中背で、その面影は80's当時とあまり変わっていない。向かって左がギターのウィル・サージェントなのだが、こちらはかなりご立派な体格になっていて、そして長髪のためほとんどその表情がうかがえない。オリジナルのバニーズはこの2人だけで、他はイアンの右にベ−スとギター、後方にはドラムとキーボードという配置だ。
バンドの顔的な曲は随所に散りばめられ、そのたびに場内のテンションは上がる。『Seven Seas』、『Killing Moon』、『Back Of Love』・・・。しかしCDで聴くと地味に思えていた他の曲も、不思議とこの場では地味には感じられず、これらの曲が持つパワーが伝染したかのように生き生きとしている。フジロックは舞台そのものがマジックを持っているが、今のバニーメンはそうした追い風を受けずとも、自らの能力のみで質の高いライヴができているのだ。
本編は必殺『The Cutter』で締め、そしてアンコールは『Nothing Lasts Forever』。先ほどイアンの面影にはリアムを彷彿とさせるものがあるといったようなことを書いたが、この曲のオリジナルではそのリアムがバックコーラスで参加している。『Be Here Now』のレコーディング時に、たまたまスタジオが隣合わせだった
がために気楽に参加したのだそうだ。そしてこの場においてだが、なんとイアンはいつのまにかルー・リードの『Walk On The Wild Side』を歌っている。かと思えば、バニーメンの出身地でもあるリバプールの偉大なる先人である、ビートルズの『Don't Let Me Down』を歌ったりもしている。
続くは『Lips Like Sugar』で、先ほどがオアシスのリアムがからんでいるなら、この曲はコールドプレイにカヴァーされている。今年の7月には彼らのライヴにイアンが飛び入りして一緒にこの曲を歌ったそうで、こうしたUKの現役アーティストたちにフォローされていることも、このバンドが備えている魅力のひとつだ。そもそもバニーメン自体、ドアーズやヴェルベット・アンダーグラウンドからの影響を隠していない。こう考えると、ポール・ウェラーがフーやスモールフェイセズと、90'sギターバンド勢との橋渡し的なポジションを占めていたように、偉大なる先人たちのアティテュードを若きアーティストたちに伝えるという役割りを担っているのかもしれない。