Thee Michelle Gun Elephant 2003.10.11:幕張メッセ国際展示場ホール

ネクストはない。ラスト・ヘヴン・ツアーの最終日となる幕張公演は、すなわちミッシェル・ガン・エレファントのラストライヴだ。開場は午後5時だが、物販は12時から開放。オフィシャルサイトでは現地の様子が逐一upされ、私も自宅を出るぎりぎりの時間までパソコンに食いつき、その様子を確かめていた。掲載された写真は、早々に訪れたファンの表情を捉えたものが大半だったが、メンバーが現地入りしたときのものや、数時間後には彼らの舞台となるまだ無人のステージなどもあった。


現地には午後5時半過ぎに到着。長く連なった列に並び、まずはチケットをリストバンドに交換。その後会場の外をぐるっと廻らされて場内入りしたのだが、場内にも長い列ができていた。大きなドクロマークの旗を横目にしながら列に倣い、結局30分近くかかってやっとフロア入り。しかし意外やBブロック内はまだすかすかで、こりゃ予定時間より遅れるなと思った。会場の外にもまだまだ人はいたし、物販も混み混みだったし、トイレの前にも長い列ができていたからだ。





それでも予定の6時半になると、自然に大歓声が沸き上がった。ステージの両サイドには大きなスクリーンがあるのだが、主催者からの注意事項の字幕が流れ、そしてBGMはローリング・ストーンズ『Sympathy For The Devil』のリミックス版。客電はやや弱まり、そして天井の照明がサーチライトのように稼動し始める。こんな状態が20分以上続き、ドアーズの『The End』が流れたところで、いよいよだなと思った。


客電が完全に落ちて「ゴッドファーザーのテーマ」が流れ、場内の大歓声は更にそのヴォリュームを増す。この曲は今までいつも彼らのライヴの前に流れていたのだが、この日このときほど悲しく聴こえたことはない。そんな中をクハラ、ウエノ、アベ、チバの4人が登場。いち早く自分の位置についたクハラが軽くドラムを叩き、そして他の3人もスタンバイ。オープニングは『ドロップ』で、ステージを照らす赤い照明は薄暗く、そして両サイドのスクリーンも像が荒い。メンバーの表情がよくわからない中、ネクストのないライヴが始まった。スマパンの曲ではないが、「終わりの始まり」だ。


ハードではあるが、噛み締めるようにじっくりと歌われる『ドロップ』。しかし次の『ゲット・アップ・ルーシー』で「いつもの」と言ったらいいのか、場内は暴れモードに。続く『バードメン』でやっとステージが明るくなり、4人それぞれの表情がうかがえるようになる。長髪にサングラスのチバ、そしてクハラは早くも額に汗がにじみ、ウエノとアベは対照的にクールだ。そうしてほとんど切れ目なく一気に4曲が演奏された後、楽器を交換する際にチバが「よく来たね♪」とひと言。サングラスを取り、上着も脱いでいた。





そういうことはしない人たちだろうとは思っていたが、ラストだから何か特別なことをとか、何か凝ったことをとか、そういったことはなかった。ステージには何の装飾もなくシンプルで、敢えて言えば、この公演はDVD化されるのでそれ用にカメラが配置されていることぐらいか。カメラは天井にも吊られていて、かなりのスピードで往復していた。


彼らにはそれ相当のキャリアがあり、それ相当のアルバムもリリースしている。名曲もたくさんある。となれば、ファンとしてはあの曲も演ってほしい、この曲も聴きたいという気持ちが浮かぶ。個人的には『フリー・デビル・ジャム』や『デッドマンズ・ギャラクシー・デイズ』、文字通りチバがタンバリンを叩く『ブラック・タンバリン』といった辺りが嬉しかったのだが、逆に『G.W.D.』や『太陽をつかんでしまった』が外れたのは意外だった。


パール・ジャムほどではないにしても、ミッシェルのセットリストは日々変動する。しかしラストだからといって、グレイテストヒッツオンパレードになるということはありえないようだ。今までやってきた通りに、あるがままにすることが、彼らとしての引き際なのだろう。私たちファンの側には「これが最後」という気負いはあるのだが、本人たちはまるでこの後も活動を続けていくかのような、そんな錯覚を起こさせるたたずまいだ。


個人的には、これが3年ぶり4度目のミッシェルのライヴになる。バンドが作品をリリースし、徐々に実力をつけ成長を遂げて行く姿を、ほんの一部ではあるにせよ観続けてきたと思っている。そして今回だが、彼らのスタイルは「成熟」や「完成」ではなく、「衝動」であるように思う。もちろんキャリアを重ねる中で初々しさはなくなり、逆に風格がついてきているのだが、やはり彼らの姿勢は「受けて立つ」ではなく、「前のめりで攻める」なのだろう。『ギヤ・ブルーズ』を聴いたとき、これが臨界点なのではと思った。しかしその後、何枚のアルバムが世に出たことか。そしてそのクォリティは少しも落ちてはいないし、増してやライヴの場においてはなおさらだ。





あとどれだけの時間、彼らのライヴを観ていられるのか。最後の瞬間は、いつやって来るのか。体は自然に動き、ステージに熱い視線を送りながらも、頭の中ではそうしたカウントダウンをしてしまう。そして私が「最後」に向けて加速していくのを「最初に」意識したのは、この日リリースされたラストシングル『エレクトリック・サーカス』のときだった。


この曲のときだけ両サイドのスクリーンは停止し、代わりにステージの奥でスクリーンが稼動。チバの表情と、その後方でドラムを叩くクハラの表情とが同じ枠に収まって映し出され、続いてウエノやアベの表情も捉える。長髪を振り乱し、汗びっしょりになりながらも歌うチバ。同じく汗びっしょりでドラムを叩き、体を横にねじってバックヴォーカルも務めるクハラ。半身の姿勢でマイクスタンドの前に立ち、時折軽く飛び跳ねながらベースを弾くウエノ。大股開きでギターを弾き、しかしほとんど表情を変えないアベ。4人の勇姿、しっかりとこの目に焼き付けてやる。


『ミッドナイト・クラクション・ベイビー』では再びタンバリンを手にし、はしゃぐようなアクションをしながら歌うチバ。ミュージック・ステーション出演時、タトゥーがドタキャンを食らわしたがために間が生じてしまった。しかし、こういうときこそまさにオレたちの出番だと言わんばかりに、急遽この曲を演った彼ら。テレビの生放送でハプニングは多々あろうが、それをあんなふうに乗り切ったのは観ていて胸がすく想いだったし、彼らの音楽を好きでよかったという、妙な優越感も感じたものだ。





そしていよいよライヴは加速し、『スモーキン・ビリー』でまた凄いことになった。サビに差し掛かったところで、チバはオーディエンスにマイクを向けた。「愛と!」「いう!」「ぞうぉ!」が大合唱となり、しかもそれがほとんどバラつかず、見事なまでに揃っている。マイクを向けたときのチバの歓喜に満ちた表情が、また印象的だった。そして本編ラストは『リリィ』。終盤の勢いを買ってか、原曲よりもかなりハードで、更にラウドだった。


アンコールは、チバの「どっか行こうぜ♪」というMCのもと、『GT400』で始まった。ミディアムテンポで、なんでこんな曲をシングルとして切ったのかとリリース時は不思議がったのも、今となってはいい思い出だ。続く『リボルバー・ジャンキーズ』では更に場内がヒートアップし、そのままなだれ込むように『ジェニー』へ。









































いよいよ、最後の瞬間が近づいてくるのか。。。











































to be continued...





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