バンドはかなりの大所帯。まずはサポートというにはあまりにも大物すぎるgのクリス・スペディング。地味ながら存在感たっぷりだ。更にはスキンヘッドのベーシスト、ピアノに加え、女性が3人。1人は黒人のコーラスで、マンザネラの左に陣取る。あとの2人は後方右で、1人はkeyとパーカッション。もう1人はkeyとバイオリンを担当する。この2人はビジュアル的にロキシーのカラーを反映しているように思えたが、もちろん単なるお飾りではなく、『Out Of The Blue』のラストではバイオリンの独壇場となる。それぞれセッションミュージシャンとして他のアーティストのツアーに帯同した実績のある腕利きで、フェリーのソロツアーにも参加していたメンバーが多い様子だ。
マッケイのsaxとピアノがメインの『Tara』に続いては、トヨタのCMでも流れている『More Than This』。ロキシー美学の最高峰であると同時に80'sを代表するアルバムと言える『Avalon』の世界が広がり、いよいよライヴが後半戦に入ったことを予感させる。フェリーは銀ギラのスーツに着替えていた。そのテンションはヒットナンバー『Dance Away』にも継承される。そして・・・、
『Editions Of You』で本編を終了し、ほとんど間をおかずにアンコール突入。実は序盤は前列でも座って観ている人が結構見られたのだが、この時点ではもうお祭り状態だ。『Love Is The Drug』『Do The Strand』と、フェリーのvoが前面に出る曲が続く。ステージ後方からは、今度はリオのカーニバルにでも出てきそうな、羽根をいっぱいつけたダンサーが登場して踊る。全員が笑顔で、観ているコチラまで嬉しい気持ちにさせられる。
ラストは『For Your Pleasure』。混沌とした曲調で、なんでこれがラストなのかと欧米ツアーの内容を調べていたときは思ったのだが、その疑問は目の前で明らかになった。終盤のいつ終わるとも知れないメロディーに差しかかったとき、まずはフェリーが手を挙げて挨拶し、ステージを去った。続いてマッケイが挨拶し、マイクスタンドにかけていたジャケットを手にしてステージを去る。続いてマンザネラ、そして他のメンバーもひとりずつ演奏を止め、前方に出て来て挨拶をし、ステージを後にする。そうして残ったのはポール・トンプソンとピアノの2人。トンプソンが先にステージを去り、ピアノの人が最後の最後まで曲を続け、やがてステージを去った。ここで開演前にステージを覆っていた幕が再びひかれる。ライヴがこれで終わったのだということを、明確にさせる演出があったのだ。