恐らくもっかの最新アルバムである『The Glove Sessions』からと思しき曲でスタートする(後でネット上で『Maybe That's Something』と知る)。先程の2階席ウェーブの余勢もあってか、序盤から客のリアクションも上々だ。続いての『A Change〜』に場内のテンションは一層増す。この後の『Leaving Las Vegas』〜『My Favorite Mistake』というたたみかける代表曲で、早くもショウは前半のハイライトに達してしまった。
もちろん最新作に伴うツアーなので、『The Glove Sessions』からの曲が軸となってステージは進む。シェリルはこれまで3枚のアルバムを発表しているが、どのアルバムにもそれぞれにカラーがあって聴きどころがあると感じている。ファースト『Tuesday Night Music Club』は、シンプルでカジュアルで、親しみやすい曲が多い。一転して自らの名前をアルバム名に冠したセカンドは、まずはどぎつい化粧と鋭い眼光のヴィジュアルに度肝を抜かれ、曲の方もストレートでエモーショナルなものが多い。
すっかりお茶の間でもお馴染みになってしまった『Everyday is a Winding Road』で、シェリルはギターを持たず、マイクだけを手にして歌う。そして、最初で最後と言ってもいいくらいにステージ上を右に左に忙しく歩き回る。場内は再びのピークの予感である。というか、ここまでの1曲1曲がヘビー級ボクサーのパンチのように重量感を備えて響いてきていたのだが。そして、個人的シェリル・ベストの『If It Makes You Happy』では、サビの部分の彼女のシャウトが天井を突き破らんばかりの通りの良さだ。アルバム発表に伴うツアーの度に来日公演を行っている彼女。初来日はリキッドルーム。2度目は(うる覚えですが)確かBLITZ辺り。そして今回はこのキャパ。アーティストとして順調に成長を遂げ(こんなに簡単に言い切ってしまってはいけないのかもしれないけど)、より自らの音楽を濃密にし、そしてその世界観を拡大していく彼女に、拍手を送りたい。