そしてすごかったのは、ミューズそのものも同じだった。たった3人なのに音圧が凄まじく、スタジアムという会場をまるごと飲み込んでしまうかのような強烈な勢いを放っている。新譜『Black Holes And Revelations』からの曲も早々に披露され、そしてそれらはまるでクイーンのようにドラマティックな展開をする曲だった。ギター&ヴォーカルのマシュー・ベラミーは、熱唱しながらもギターを躍らせるようにしてギターをかきむしっていて、どうやったらあんなプレイができてあんな音が出せるのだろうと、びっくりしてしまった。また曲によっては、マシューは純白のピアノの鍵盤に指を滑らせていて、この人もともとクラシックの素養があったんじゃないかななんて思ってしまった。
ライヴが始まった頃にはまだ陽が落ちる前で明るかったのだが、時間が経つにつれて少しずつ暗くなり、やがて陽が落ちて漆黒の中でのステージとなった。バンドの演奏にシンクロするかのような壮絶なライティングも美しく、それが彼らのパフォーマンスを更に迫力あるものにした。そしてハイライトになったのは、やはり『Plug In Baby』だった。大袈裟な展開を見せる曲が多いミューズにあって、この曲はシンプルでわかりやすく、サビでノリやすい曲だ。そのサビに差し掛かったときは当然アリーナは大モッシュ状態になり、それを観ているのは壮観だった。