初日レッドマーキーのトリは、ファウンテンズ・オブ・ウェインである。フジロック出演は99年のホワイトステージ以来で、個人的に観るのは2003年の単独公演以来になる。コンスタントに活動を続けているバンドで、今回は新譜『Traffic And Weather』をひっさげての参戦だ。さすがにトリということもあり、先ほどのOCSに劣らない上々の客入りである。
しかし、ロバート・スミスもそういう空気を察知したのか(あるいは最初からの計画通りだったのか)、中盤からアプローチを変えてきた。個人的にまずぐっと引き込まれたのが『Pictures Of You』で、更に2曲ほど経た後に『Friday I'm In Love』と来て、ここで場内の空気が明らかに一変した。この曲はキュアーのフジエントリーが決まったときからラジオで繰り返しプレイされてきた曲だ。そしてその理由のひとつは、この日が金曜日だからである。ロバートはそのことを知ってか知らずか、とにかく嬉々としてギターを弾きながら歌い上げる。ここに来て初めて、キュアーが観られてよかったと実感した。
更に追い討ちをかけるように、続けて今度は『Just Like Heaven』だ。個人的にはダイナソーJr.のカヴァーの方を先に聴いていたのだが、もちろん本家本元はコチラである。確かにJマスキスのカヴァー能力も優れてはいるが、それも原曲が備えるポップさがあればこそ映えてくるというもの。それを懐メロとしてでなく、今の時代にも通用する曲に仕立てているのは、ロバート・スミスの手腕に他ならない。更には『The Kiss』『One Hundred Years』なども披露され、後半は奇跡の瞬間の連続のようになって、幕を閉じた。
ロバート・スミスという人はとても神経質で気難しそうな人という気がしていたのだが、いったんその気になってしまえば、ファンを満足させるためのことはなんでもする人ではないだろうか。2度目のアンコールが終わったとき、時刻は12時を回っていた。ミューズのときから時間がズレていたとはいえ、キュアーが演奏した時間は計2時間15分にも渡っていた。これは、グリーンステージにおいては2001年にニール・ヤングが2時間半演奏したのに次ぐ時間数だ。前半こそ微妙な空気が流れてはいたものの、中盤以降はバンドと場内とがシンクロした素晴らしい空間が出来上がり、最終的には非常にいいライヴになった。そして、ロバート・スミスは最後にこう言った。「See you 23years later...」と。23年後に会おうって、あーた(笑)。