Summer Sonic 2006/Day 2-Vol.1 Mum DJ Set/Kasabian/We Are Scientists/The Kooks







初日の日中、珍しく雷雨になった。私はずっと幕張メッセ内にいたので実害はなかったが、アウトドアのステージのいくつかは進行が一時ストップし、雨が止んだ後に2時間遅れなどで再開したそうだ。そんなこんなで初日も無事に終了し、そして2日目。この日は朝から好天に恵まれ、そして蒸し蒸ししていた。メッセ駐車場への入庫はスムーズに行えたが、場所はやはり料金所の奥側だった。2日目も人が多そうだ。


私はこの日もメッセ中心で、まずはグッズを購入しようと売り場に並んだ。30分くらいかかってやっと自分の番になったのだが、オフィシャルTシャツはほとんどが売り切れていて、残っているのはSサイズとかXLサイズとかだった。Tシャツはテントの前面上部に展示されていて、待ち行列に並びながらも見ることができた。それはいいのだが、売り切れたTシャツは展示から外してほしかった。アーティストTシャツのコーナーはちゃんとそれがされていたのに、オフィシャルTシャツのコーナーはほとんどが展示されっぱなしだった。あれでは買う側はふつうに売っていると思ってしまうし、ちゃんと対処していれば行列は半分以下になったはずだ。結局パンフレットだけを買って後にしたのだが、無駄な時間を過ごしてしまったように思えた。





さて、私はこの日もマウンテンステージ中心で、一発目はMum DJセットだ。Mumはアイスランド出身のバンドで、正式メンバーは3人。しかしライヴになると大所帯になり、幻想的な音楽を変幻自在の編成で演奏する。しかし今回は、オルヴァル・スマウラソンとグンネル・ティーネスの2人によるDJプレイだ。ステージはDJ卓があるだけのシンプルなセットで、時間になり2人が登場。2人ともまるで○○レンジャーのように着飾りマントを着けていて、踊りながら卓の前をぐるっと回り、そして持ち場についた。


かけたのは、さすがにダンスグルーヴ調の曲が基本ではあったが、本家Mumを思わせるエレクトロニカ色の濃い音をかぶせるアレンジも見られたりして、彼ららしいなとなんだか安心。途中女性ダンサー2人がステージに登場し、浮き輪をフロアに投げたり、足につけている風船を自分で割ったりして、そして再び引っ込んでいった。後半では、Mumの曲をサンプリングしたような曲もあったような気がしたけど。





メッセ内には、たくさんのブースがある。フットマッサージとか、麻雀とか、ゲームとかだ。そんな中に、カサビアン・エンパイア・ドームというのがある。これは、9月にリリースされるカサビアンの新譜『Empire』の音源の一部をいち早く聴けるブースなのだ。入場は時間が細かく区切られていて、そして整理券が必要だった。整理券をもらうために列に並んだが、向かい側ではエアギター選手権をやっていて、遠目にではあるが少し見た。茂木淳一が司会を務め、審査員にはROLLYがいたようだ。参加者はレイジの『Bulls On Parade』で登場し、簡単な自己紹介をした後、曲に合わせてオリジナリティーを交えつつエアギターを「弾いて」いた。


カサビアン・エンパイア・ドームはドーム型のテントになっていて、20人も入れば満員という小さなスペースだった。椅子に座りヘッドフォンをつけ、前方の横長スクリーンを見ながら音を楽しんだ。冒頭が先行シングルでもある『Empire』で、映像もそのPVだった。以降は短縮バージョンながらアルバムのほとんどの曲を聴くことができ、映像はデジタルなものが充てられていた。一聴しての感触だが、全体的にはギターを軸としたパワフルなロックで、バンドの成長とスケールアップが感じられ、正式リリースが楽しみ。しかしファーストの『Club Foot』のような決定的な曲が見当たらず、『Empire』もシングルカットされるのが不思議なくらい地味で、そこが物足りないと言えば物足りない。





マウンテンステージに舞い戻り、ウィー・アー・サイエンティスツを観る。既に5月に来日していて、そのときはエディターズとの対バンだった。レポートが音楽雑誌にあったのだが、WASは技術的に問題ありみたいなことが書かれていたので、正直期待はしていなかった。そもそもバンド名からして胡散臭いので、演奏の技術とか曲そのものが持つメロディーが美しいとか、そういったバンドではなく、キャラクターや奇天烈なパフォーマンスを重視する連中なのだろうと思っていた。がしかし、ここで観た彼らは演奏的には問題は見えず、スリーピースががっちりと組み合い、どれが突出するということもなく、整ったロックを奏でていた。


続くはザ・クークスだが、セットチェンジ中にMCが出てきて、「クークスは日本の客が礼儀正しすぎると感じているので、お前らもっと踊って騒ごうぜ」みたいなことを言っていた。わからないでもないが、そうさせるかどうかは日本の客の質ではない。どうしても暴れさせたいならヘヴィーなロックを演ってればいいことで、自分たちのスタイルで勝負しようとするなら、それだけの力量があるかどうかが試されるのだ。さて、この平均年齢20歳の若僧4人組は、それなりにではあるが頑張ったと思う。ギターを軸にした美メロの曲が多く、演奏には随所にエッジが効いていて、若さがにじみ出た疾走感溢れる曲もあった。


(2006.8.18.)
















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