Summer Sonic 2002 Summary サマーソニック2002を総括する







 東京と大阪の2箇所で同時開催し、出演アーティストを土日でそれぞれ入れ替えるという手法を取っている野外フェスティバル、サマーソニック。東京会場は昨年から幕張地区に移され、アウトドアステージを千葉マリンスタジアム、インドアを幕張メッセという形にして行われている。昨年不参加だった私は今年は2年ぶりに参加。幕張まで足を運んだ。ここでは私の独断と偏見により、会場や仕切りなど、良かった点と改善すべき点を列挙してみる。

1. 会場 千葉マリンスタジアム/幕張メッセ
2. 仕切り 主催者の手際はよかったのか
3. ショップエリア 食事やグッズ売り場はどうだったのか
4. コスト チケット代や交通費について
5. ラインナップ 超大物+ヘヴィーロック勢+インドアポップ勢
6. トータル 全体としてどうだったか、そして来年に向けて












1. 会場 千葉マリンスタジアム/幕張メッセ

 アウトドアステージの千葉マリンスタジアムは、アリーナ+スタンド席で約3万~4万は収容できるであろうキャパシティ。器としては申し分ない。暴れたり、よりステージの近くに行きたい人はアリーナへ、座ってゆったりと観たい人はスタンドへといった具合で、参加者にも選択する自由があった。ただ惜しむらくは、ステージ両サイドに設置されたスクリーンが、もう少し大きければもっとよかったと思う。


 一方の幕張メッセだが、こちらは1番から3番ホールまでを確保(メッセ自体は11番までホールがある)。その内部は、1番ホールがファクトリーステージとワールドレストラン。2番ホールが、出入り口~スポンサーのブース~グッズ売り場~喫煙所~オープンスペース(千葉マリンで行われているライヴを、音声なしの映像のみで流していた)。3番ホールが、インドアステージとコインロッカーといった配置。レストランのスペースが少し狭い気がしないでもなかったが、他はおおむね問題はなかった。計4箇所のトイレを開放していたのも、よかったと思う。冷房も完備だったしね。


 2つの会場間の移動は、すいていれば徒歩10分程度。混んでいるときでも15分から20分といったところ。もっと離れていて、もっと時間がかかるかと予想していたのだが、さほどでもなかった。


 アクセスについては、公共の交通機関を利用することを促していたようだが、実際はクルマで来ても大丈夫だったように思う。幕張メッセでは年中何かしらイベントが開催されていて(サマーソニック期間中は、メッセの別のホールで恐竜展が開催されていた)、メッセの広い駐車場が閉鎖されることは考えにくいからだ。ただ出庫時や高速を使う人は、時間を要すると思うけど・・・。


 東京周辺の開催地ということになると、選択肢は他にもいくつかありそうだ。ただ、既に2回幕張で開催して成功していることもあるし、ここで得たノウハウというのもあるはずなので、来年以降も幕張地区ということになるのかな。








2. 仕切り 主催者の手際はよかったのか

 チケットとリストバンドの交換所は、千葉マリンと幕張メッセのそれぞれに設けられ、どちらかで手続きすればいいことになっていた。私はメッセの方で交換したのだが、列こそ長くできてはいたものの、順調に進んで無事交換。並んで待たされるというストレスは感じなかった(千葉マリンの方はどうだったのかな?)。


 千葉マリンのアリーナ席はLブロックとRブロックの2つに区切られていて、これがチケットにも刻印。2日通しの場合だと、初日がRなら2日目はLという具合になっていて、このブロック指定により入場口もそれぞれ指定されていた。友人同士で各自チケットを入手した結果、ブロックが互い違いになってしまって、一緒に行動したくてもできないという事態を引き起こしている。消防法などのためにブロックを作らなければならないのなら仕方ないが、ブロックを"指定"にすることはなかった。リストバンドの種類を増やしただけではなかったのか。


 今回は開催直前にコーナーショップとサハラ・ホットナイツが出演キャンセルになり、またハノイ・ロックスの出演ステージがアウトドアの千葉マリンからインドアのメッセに変更になった。リストバンド交換時に配布された冊子や、公式プログラムではそこまで対応し切れておらず、元のまま。印刷の関係で間に合わなかったのは仕方がないとしても、変更になったことを記す紙を挟むとか、白黒のコピーでもいいから正規のタイムテーブルを配布するといったように、手を尽くすことをしてほしかった。


 2年前の富士急のときは、ステージ2でライヴ間の休憩時間中、スタッフから「ここはオールスタンディングなので立って下さい。」という、世にも恐ろしいことを言われたのだが、さすがに今回は(昨年から?)そんなことはなかった。初日のときは、また言われるんじゃないかと、正直びくびくしていた(笑)。各ステージに入場するときにはその都度荷物チェックをするのだが、途中から形骸化してしまっていたのが実情。千葉マリンはともかく、メッセの方はインドアステージとファクトリーステージのチェックを外し、メッセ入り口の一本に絞ってチェックをした方がよかったと思う。


 そのほかは、仕切り面で特に大きな問題はなかったと思う(私が体感した限りでは)。









3. ショップエリア 食事やグッズ売り場はどうだったのか

 グッズ売り場はメッセの2番ホール部分にあって(千葉マリンの方にグッズ売り場があったかは、私は未確認)、オフィシャルものとアーティストものとに分かれていた。アーティストものの方は終始すいていて、一方オフィシャルものの方は朝から長蛇の列。そして初日の午後には、ほとんどが品切れになった。これは2日目になっても補充された様子がなかったし、商売としては非常にもったいないことをしている。それとプログラムに限っては、アーティストものの売り場でも売ってもよかったと思う。


 食事はメッセ1番ホールのワールドレストランのほか、メッセ自体のレストランや軽食、千葉マリンの設備としての食堂や売り場などがそれぞれ機能。よって混雑の度合いはさほどひどくはなかったと思うが、こんな美味しいのがある、という発見や楽しみはなかった。500ミリのペットボトルのジュースが、250円で売られていたのもショック。








4. コスト チケット代や交通費について

 私は昨年は参加していないからわからないけど、第1回からするとこっそり値上げしてたんだねえ(笑)。第1回のときは1日券で11,000円、2日通しだと20,000円。それが今回は1日券は12,500円で、2日通しだと22,000円。ステージの数も出演アーティストも増えてという理由なのかもしれないけど、"抜け道"のような仕組みは作れないものか。


 例えば私はクリエイティヴマンの会員になっているが、2日通し券を会員先行で申し込み、1,000円引きの値段で入手した。ただこれ、郵便の普通振替で申し込みをするので、そのときの手数料なども入れると、1,000円の割引なんてあって無きが如し。5,000円の年会費を払っているのだから、もっと大幅な値引きをしてくれてもよかった。また、イープラスではTシャツを漏れなくプレゼントというのをやっていたけど、こんなことにコストを費やすなら、なぜチケットを少しでも安くしようとしない?この場合、Tシャツを申し込む方とより安い値段で求める方と、2つのどちらかを選択できるようにすればいいと思う。








5. ラインナップ 超大物+ヘヴィーロック勢+インドアポップ勢

 "復活"というドラマ性と、ドタキャンされるかもというリスクの両面を持ち合わせているガンズ・ン・ローゼズ。このガンズが、今年のサマーソニックの象徴になったと思う。開演が50分近くも遅れるということもありはしたけど、結果的には大成功に終わったのだから、このことは大きく評価していい。そしてガンズを筆頭にモリッシーやハノイ・ロックス、スージー&ザ・バンシーズといった"復活組"を揃えたというのも悪くない。


 サマーソニックはもともとヘヴィーロック系アーティストの参加が多いが、今年もそれを継承。その一方で、インドアポップ系も充実。ジャンルが両極化しすぎている気もするが、個人的には気にしていない。








6. トータル 全体としてどうだったか、そして来年に向けて

 会場はとりあえず幕張地区に落ち着き、仕切り面もいくつかの改善点はあるものの、許しがたい大きな問題はなかった。そして今年、サマーソニックはそのラインナップ(というかほとんどガンズなのだが)によって、サマソニに行けばあれがあるこれがあるといったような、他の野外フェスティバルとの差別化、独自性を示すことに成功したと思う。


 日本にあまり来ないアーティスト、しかも超大物をメインに据え、後はジャンルを絞った中での若手や新鋭で固める。個人的には、来年以降もこの路線で行ってもらって構わないと思っている。今年はガンズだったが、来年は誰が来るのか?U2か?・・・期待は膨らむばかりだ。





















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