Summer Sonic 2000 Vol.1 Muse / Reef







サマーソニック富士急のトップを飾るのはミューズ。ここ最近絶えて久しいUKギターバンドだが、その中で久々に出てきた期待の新人として評判も上々。3月にはOn Air Eastでショウケースライヴを行っており、そして10月には単独の再来日公演も決定している。


 よく言われるように、そのサウンドはレディオヘッド+プログレといった趣。密閉されたライヴハウスの方が向いてるんじゃないかなあ、と思ったが、意外や彼らは健闘する。あまり内省的ではなく、不思議と開放的に受け取れるのは、彼らのパフォーマーとしての力量が成せる技なのか。そして透き通ったvoはステージ後方にまで澄み渡ってきた。








 SS2000のセットチェンジに要する時間は短い。約20分程度。こんなに慌しくセッティングして、果たして肝心の音質や音量の方は大丈夫なのかという不安がよぎる。しかし暑い。ステージ1には日陰がほとんどなく、ブロックはもとより石段にいるとそのまま灼熱地獄にさらされることになる。たまらず後方に移動。石段の上は芝生になっていて、そのエリアは若干の木陰と微風がある。入場ゲートで配られたHMVの袋を敷いて座る。レジャーシートの持ち込みは禁止とのことだったが、これなら持ってくればよかった。


 そしてリーフ。クリスピアン・ミルズの代役としてこのフェスへの出演が最後に決定したバンドである。2月の来日公演は私も観に行ったし、その内容にも満足している。が、このバンドの真骨頂は、野外という舞台によってより鮮明になってくるのでは、という期待感もあった。


 ゲイリーはいきなり上半身裸で登場。やる気なんだなというのが、既にこちらまで伝わってくる。そして1曲目からなんと『Place Your Hands』だ!


 2月のリキッドではステージ狭しと動き回っていたゲイリー。だが、それに比べてかなり大きいこの野外ステージであっても、同じように右へ左へと暴れ回る。エネルギーあり余ってる感じだ。そして、この人の表情はいつも笑顔が絶えない。こんなヤツは今どき逆に珍しい。私たちオーディエンスは、ゲイリーの気持ちに応えなくてはならない。


 ゲイリーは暴れ足りないようで、ついにステージを降りてモッシュの中に身を投じる。その中でも小刻みに肩を揺らし、口を大きく開けて歌う。めちゃくちゃやりすぎて、とうとうマイクを壊してしまったようである(笑)。


 ライヴは新旧満遍なく曲がチョイスされ、そして新曲も披露された。折りしも異例とも言えるハイペースで作られた新作『Getaway』の発表を目前にし、バンドの状態はかなり良好で、上昇気流に乗っているといってもいい。そういう状態の中で再来日してくれたことが私は嬉しいし、突然のオファーにも関わらず出演を快諾してくれたリーフのメンバーにも感謝の気持ちでいっぱいだ。たった40分の演奏時間しか与えられず、なんだかもっと演りたそうな感じだった。











(2000.8.21.)
















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