Sonicmania'05 Velvet Revolver

 ジュノ・リアクター終了直後から、オーシャンステージにどっと人が押し寄せてきた。私はこうなるであろうことを予測して、はじめからオーシャンステージ側に陣取っていたのだが、それにしても凄まじい熱気だ。やがて進行の人がステージに姿を見せ、前日に行われた大阪では、予定時間よりかなり遅れて出てきたことを明かす。よって、今回も気長に待っていてほしいみたいなことを言っていた。





 定刻を7分ほど過ぎたところで、客電が落ちた。思ったほど待たずに済んだという安堵感と、いよいよこれからライヴが観られるんだという歓喜の気持ちとが交錯する。SEはなぜかプリンスの『Controversy』で、これは彼らのアルバム『Contraband』に引っ掛けてなのかな。メンバーが姿を見せた時点で場内は大騒ぎになり、ダフ、スコット、スラッシュの3人がステージ中央に縦一列に並んだところで、『Sucker Train Blues』のイントロが響き渡った。


 ステージ中央にスコット・ウェイランド、右にはスラッシュ、左にはダフ・マッケイガン、スコットの真後ろにドラムのマット・ソーラムという配置。もうひとりのギタリストであるデイヴ・クシュナーは、左奥に陣取っている。スコットの前には台があり、そこに足を掛けてシャウト。後方には「ROCK & FUCKIN' ROLL」という文字が確認できる。


 続いて『Do It For The Kids』となり、スコットは上着を脱ぐ。そのスコット、ポリスハットにサングラスといういでたちで、腰をくねくねさせ肩をいからせながら歌っている。喉の調子が今ひとつで、特に高音の伸びがなかったような気もするが、そんな不満を打ち消して余りあるパフォーマンスを見せている。そして早くもステージを降りて、前方のオーディエンスの間近で歌う。序盤からエンジン全開だ。一方スラッシュもダフも直立不動ではなく、ステージ上を右に左に、そして中央の台に乗ってと忙しく動き回り、弾きまくっている。デイヴも2人の動きをさえぎることなく、ステージ上を飛び回っている。





 スコットは1曲毎に着ている服を脱ぎ、ついには上半身裸になってしまった。そしていつのまにかダフの方も上半身裸になっていて、いよいよ「らしい」雰囲気になってくる。ドラッグ&アルコールに溺れていたであろう日々、そして長きに渡る不在。本家ガンズの方は2002年にアクセルが蘇生させたが、もう一方のガンズであったスラッシュ、ダフ、そしてマットは、ずっと沈黙したままだった。そして沈黙は、スコットにしても同じだった。


 この両者がタッグを組もうとは、予想だにしなかった。しかしお互いが相互に補完し合える幸福な出会いであったことは間違いなく、そして作られ届けられた音は、オーソドックスなハードロックでありながら、レトロではなく新鮮な感覚がある。多くの音楽ファンが待ち望んでいた音として、ピンポイントに突き刺さってきているのだ。元ガンズの3人とスコットとではひと世代ほど違うはずだが、スコットはガンズのキャリアにも臆することのないキャラクターであり、かつ立派に抗し得るだけの力量を持った人である。





 場内がひと際沸いたのは、『It's So Easy』が放たれたときだった。言うまでもなくガンズの曲で、しかしこれまで演奏されてきた曲との温度差はなく、自然な流れとして受け止めることができた。そしてテンションが落ちることのないまま終盤に差し掛かり、シングルカットもされている『Set Me Free』で本編が締めくくられた。


 フェスティバルではアンコールがないのが基本だと思うが、客電がつく気配はなく、こりゃアンコールありだなと思った。ステージ後方の文字はいつのまにかバンド名の電飾に変わっていて、その文字が「VEL」「VET」「REVOL」「VER」といった具合に点灯する。はじめはアンコールを求める拍手だったオーディエンスも、この点灯に合わせて「ヴェル!」「ヴェット!」「リヴォル!」「ヴァー!」と叫ぶように変わった。


 やがて、メンバーが再び生還。今度はスラッシュも上半身裸になっていて、黒のシルクハットをかぶり、そしてタバコをくわえている。そして演奏が始まり、フロントラインの3人が中央の台に上ってそれぞれに歌い、弾き、本編と少しも変わらぬテンションの高さで、観る者を圧倒した。約1時間程度のステージだったと思うが、充分に余韻の残る暴れっぷりだった。





 スーパーバンドには、短命に終わるのではという不安が常につきまとう。アルバムを1枚か2枚作っただけで空中分解、そうしたバンドは実際過去にいくつもあった。ヴェルヴェット・リヴォルヴァーもその宿命を背負うことになるが、少なくともこの日のライヴでは、そんな先のことを考えるよりも、今この瞬間を燃え尽きんばかりに輝こうとする、メンバーの姿をしっかりと目に焼き付けるべきだと思った。

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(2005.2.13.)















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