アコースティック・ギターのピックを弾く音が緑の中に響いて澄み渡り、しわがれたミスター・レイの歌声が、まるで年代ものの熟成されたワインのように耳に染みる。そして、キンクス時代の黄金の名曲が惜しげもなく連発される。『All Day And All Of The Night』が!『Sunny Afternoon』が!更には『You Really Got Me』までもが!君たちはこういう曲が聴きたいんだろう?とでも言わんばかりに次々にたたみかけてくるミスター・レイ。ふと横を見ると、黒人セキュリティも体を小刻みに揺らし、笑みを浮かべている。モッシュ&ダイヴの激しいライヴのときはいかついしかめっ面でニラミをきかせている連中だが、そんな彼らもリラックスして楽しんでいるようだ。
フロントのスキンがぴょんぴょん跳ねるようにして姿を見せ、他のメンバーもぞろぞろと出て来てスタンバイする。ニューアルバム『Post Orgasmic Chill』のトップでもある『Charlie Big Potato』でスタート。圧倒的な音量。突き刺さるビート。パワフルで躍動感溢れるスキンのヴォーカル。そしてその動き。いきなりマイクスタンドをブン投げる。私はグリーンの最前からステージに熱い視線を浴びせ、プラスして体が自然に動いている。そら見たことか。このバンドはこんなに凄いのさ。