Fuji Rock Festival'06 Day 1-Vol.3 ハリー・ホソノ・クインテット/Madness







とりあえずトイレを先に済ませたが、その間に陽は沈んで周囲は真っ暗となり、そして矢野顕子のライヴも始まった。生音がBGMというなんとも贅沢な状態で今度は食べ物の列に並び、タイラーメンを買ってすすった。矢野顕子は2002年に忌野清志郎と組んだのを観たことがあったが、そのときはグリーンステージであったにもかかわらず、矢野がMCで語りかけるようなことをしてしまい、間延びした雰囲気が漂う残念なステージになってしまった。今回もこの人はやはりマイペースで曲間に何度もMCをしたのだが、ここはオレンジコートということで、彼女のペースに合った形でライヴが進んだ。ただし、音が小さすぎたのが少し残念。





オレンジコートは初日深夜にオールナイトフジというイベントをするため、トリのアーティストが出演する時間は少し早めだ。そのトリを務めるのは細野晴臣で、今回はハリー・ホソノ・クインテットというバンドでの出演となる。バンドは、ギターやベース、ドラムといった生楽器のほか、コシミハルがアコーディオンとして参加。細野自身は、フロントマンとしてアコースティックギターを弾きながら歌っていた。


この人もやはりマイペースで、曲間にバンドメンバーを紹介し、今日は絶対雨だと思っていたとか、そんなMCを交えていた(この後、少しだけだが雨は降った)。ステージにはライトがいくつもあって照らされているためか、虫がよく集まってきて、細野は結構気にしながら演っていた。各メンバーが持ち合わせている職人技が随所で発揮されたのはよかったが、ゆるゆるのまったりムード漂いまくりでライヴが進んだのには、正直面食らった。よって途中で切り上げることに。PAのエリアに、この日の日中にフィールド・オブ・ヘヴンに出演したサンディーがいて、ステージをじっと見つめているのがわかった。





オレンジコートから戻る際には、フィールド・オブ・ヘヴンを通過する必要がある。今回はフィールド・オブ・ヘヴンでライヴを観る予定がなかったので、足を踏み入れたのも3日間通してこのときだけだった。夜のヘヴンはライティングが素晴らしく、ミラーボールをはじめとするライトが妖しく光り、周囲の木々に反射して神秘的な空間を作り上げていた。そしてアヴァロン・フィールドを通りかかると、ジプシー・アヴァロンでのマルコス・スザーノや沼澤尚らのライヴの音が漏れ聴こえてきた。


今度はホワイトステージの脇を通りかかった。ちょうどドノヴァン・フランケンレイターのライヴ中で、人も結構集まっていた。この人やジャック・ジョンソンに代表される、いわゆるサーフ・ミュージックというものを、私はこれまで聴いたことがなかった。のだが、緩さの中に独特のリズム感やグルーヴ感があって、結構心地よかった。そして向かった先はアーティストグッズ売り場で、各ステージでヘッドライナーが出演する時間帯なら、並ばずに買えるだろうと踏んでのことだった。実際10分も並ばずに入ることができたのだが、色やデザインなどをいろいろ見てみて、結局何も買わなかった。


そして林道を歩いてホワイトステージに向かい、その手前のところ天国で軽く腹ごしらえをした。ここは夜来るとライトが木々に照らされていて、このゆっくり動く光の粒が雪が降っているように見える。フジロックで見られる風物詩のひとつではないかと個人的に楽しみにしていて、今年も見れたことが嬉しかった。ここでは、初日と2日目の深夜12時から、映画が上映されることになっている。





初日の締めとして、私はマッドネスを選んだのだ。時間になり、まず出てきたのはギャズ・メイオールだった。この人自身フジ常連なのだが、そのギャズはまるで子供のようにはしゃいでいて、「M!A!D!N!E!S!S!MADNE−−−SS!!」と絶叫し、それに促されるようにしてバンドが登場した。ほとんどのメンバーがスーツにグラサン姿で、それだけでもうニヤニヤしてしまった。


ヴォーカリストとMCの人が、2人でライヴを牽引。体形こそでっぷりとなってしまったが、そのきびきびとした動きには、英国紳士ぶりがにじみ出ている。演奏はサックスによるスッチャスッチャ♪というスカのリズムを基調とし、これが結構踊れる要素も備えている。そして、結構耳慣れた曲があってびっくり。シュープリームスのカヴァー(個人的にはヴァニラ・ファッジの曲というイメージが強いが)である『Keep Me Hanging On』や、マックス・ロメオの『I Chase The Devil』を。後者は、プロディジーが『Out Of Space』でサンプリングしている元ねたとなっている曲だ。スペシャルズと並ぶスカロックのパイオニアが、その地位にふんずり返ることなく、柔軟な姿勢を見せていることに感激した。


本編は1時間程度で切り上げられたが、当然これだけで終わるはずはなく、もちろんアンコールに突入。今度は『白鳥の湖』のメロディーを基調とした曲を演ったりして、相変わらずのサービス精神ぶりを発揮する。そして再びギャズが出てきて、オーディエンスもそしてバンドをも煽り、2度目のアンコールへ。ここでついに、『In The City』が!かつてのホンダのCMでもお馴染みの曲だが、ここでニヤニヤした人はある年代以上のハズだ(私もそうだった)。この曲と言えばムカデダンスが定番なのだが、残念ながらこの場ではそれはなく(みんな演奏してるしな)、しかしそれでも最後をこの曲で締めくくってくれたことが、とても嬉しかった。


(2006.8.23.)
















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