Fuji Rock Festival '05 Summary フジロックフェスティバル'05を総括する







開催日や出演アーティストの発表は早め早めに行われ、また昨年は3日通し券のみだったチケットだが、今年は1日券が復活。しかし3日通し券と2日目の1日券は事前に完売し、最終的に動員は3日間で延べ11万人を記録したとのこと。3日間とも雨という、97年を除けば最もタフさを強いられた今年のフジロックだが、ここでは良かった点、改善すべき点について検証する。もちろん、私の独断と偏見によるものです。

1. 会場 苗場スキー場は快適だったのか
2. 仕切り 主催者の手際はよかったのか
3. ショップエリア 食事やグッズ売り場はどうだったのか
4. コスト チケット代等
5. マナー 参加する側の意識について
6. ラインナップ 個人的には久々に満足
7. トータル そして、来年に向けて












1. 会場 苗場スキー場は快適だったのか

テント・タープの持ち込み禁止が、開催2週間前になって周知された。遅すぎた発表ではあったが、現地ではほとんど混乱は起こらなかった様子。グリーンステージの後方では、例年よりも多くの人がスペースをシェアできたのだろうか。


今年は動員が過去最高を記録したそうで、初日3万5千人、2日目4万人、3日目3万5千人だそうで、もう場所がないというか、敷地に収容できる人数としてはMAXに達した感がある。ではあるが、今年に関してはステージ間の移動に際し、特に混乱や問題が起こることはなかった。


ホワイトステージからグリーンステージまでの方向で、ボードウォークが建設中。途中までは出来上がっていて、そして途中からは山道になっているそうだ。来年は完成するだろうから、これでまた混雑が緩和されることが期待できる。








2. 仕切り 主催者の手際はよかったのか

今年は開催に関するもろもろのアナウンスが総じて早めであり、参加する側としては予定が立てやすかった。開催日と会場はなんと元旦に発表され、2月には早割りの受付を実施。アーティストの発表も2月下旬から断続的に発表され、タイムテーブルも7月あたまに明示された。残念だったのは、テント・タープの持ち込み禁止のアナウンスが遅かったことだ。


そして現地での仕切りだが、こちらも例年通りに行われ、特に問題やトラブルは発生しなかったと思う。チケットとリストバンドの交換も円滑に進み、入場ゲートでのチェックにおいても、特に問題は起こらなかったと思っている。








3. ショップエリア 食事やグッズ売り場はどうだったのか

オアシスとアヴァロン・フィールドを中心に出店が並び、フィールド・オブ・ヘヴンやオレンジコートにもいくつか出店は出ている。参加する出店やメニューもほぼ例年通り。確かに人は多かったが、時間をずらせばさほど並ばずに買って食べることができた。3日目には完売御礼の告知を出す出店もあった。


グッズ販売については、キャンプサイト入り口前にはオフィシャルグッズ売り場が設置されていて、今年は苗場に初進出した99年以来となる、前日売りが行われた。過去この総括ページでは再三に渡って前日売りをしろしろと書き続けてきていて、やっとそれが叶ったことになる。また、販売する物品の一部をレストランのメニューのような形でまとめていて、待っている人に配ってあらかじめ見せるようなことをしていて、これもよかった。ただ、販売は午後7時から開始されたのだが、最初のうちはテントの一部しか開けず、よって人のはけが悪かった。途中から全ての売り場を開放して対応したのだが、なぜ最初からやらなかったのか。


一方アーティストグッズ売り場の方ではあまり工夫がなく、例年通りの段取りに留まった。オフィシャルグッズ売り場にあったような、メニューを準備することもなかった。私は2日目の夕方に購入したのだが、この時点で既に売り切れている物品がいくつもあるのに、それが自分で売り場の目の前に行って売り子さんに尋ねないとわからないという状況だった。スピーカーを使って、待っている人に呼びかけるとかすれば、それだけで列はもう少し短くなったはずだ。








4. コスト チケット代等

開催日と開催場所の発表と同時に、値上げが発表になった。去年が値下げしていたので、3日通し券については例年の価格に戻ったことになる。ただ、1日券や早割りの値段は少し上がった。そして、この値上げの理由が納得いかない。ステージを増やし出演アーティストを増やした結果で、とのことだが、それが理由ならステージを増やすことも出演アーティストを増やすこともやめてほしい。ステージやアーティストが乱立したって、観る側の体はひとつしかない。全てを観ることは不可能なのだ。


そしてこれも毎年総括に書いていることで、今年も書き続けるが、スマッシュ会員のアドバンテージをつけてほしい。会員は早割り価格でチケットを求めることができ、またその期間も通常の早割り受付よりも長くとる、といったことをしてほしい。








5. マナー 参加する側の意識について

マナーは年々低下している。私が見かけただけでも、以下のような人たちがいた。


・携帯灰皿も持たずにタバコを吸っていて、灰を地面に落としている人。
・グリーン~オアシス間の橋は一方通行なのに、無視して逆方向に渡っている人。
・レッドマーキーの隅に陣取り、ライヴを観ずに寝ていたり休んでいたりする人。
・カメラ付携帯やデジカメで、演奏中のアーティストを写す人。
・車椅子専用エリアに平気で陣取っている人。
・グリーンステージ後方の通路上でライヴを観ている人(通行の邪魔で仕方がない)。


今年になって急に上記の人たちが出現したわけではないが、人が増えるということは、参加者の質を下げている形になっている気がする。








6. ラインナップ 個人的には久々に満足

人によって賛否分かれるかもしれないが、個人的には結構満足している。焦点はずばりグリーンステージをどれだけ豪華にできるかで、これはフジロックが毎年抱える最大の課題だと思う。他のステージをそれなりに充実させたとしても、最も規模の大きいステージがしょぼくては、フェスとしてのインパクトは弱くなると思っている。


今年のグリーンステージを飾った面々だが、フー・ファイターズ、コールドプレイ、ベック、モービー、ニュー・オーダーは、いずれも今年新譜をリリースし今年ツアーに力を入れているアーティストで、彼らをヘッドライナーとして迎えることができたのはとてもよかった。個人的には2001年以来の充実ぶりだと思っていて、非常に満足している。ホワイトにもポーグスや清志郎、再結成ダイナソー、シガー・ロスといった個性的な面々を揃えることができて、充実していたと思う。逆に首をひねりたくなるブッキングは、2日目トリのファットボーイ・スリムに、同じ2日目のホワイトトリのブラフマンだ。出演ステージや出演順は、正しかったと言えるのだろうか。


また結果論ではあるが、今年はドタキャンも少なかった(去年はグリーンのヘッドライナーのドタキャンがあったからなあ)。事前のドタキャンは、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジくらい。開催してからロス・ロボスがフライトの遅れでグリーン出演がならなかったことはあったけど、そこはエディ・リーダーがうまく補填している。








7. トータル そして、来年に向けて

3日通し券と2日目の1日券は事前に売り切れるという、フェスバブル真っ只中を象徴するような状態で、99年や2000年の頃に動員に苦しんでいた状態だったのがまるで嘘のようだ。それだけフジロックが世の中に浸透してきたことの表れだと思うし、来年以降もこの流れは変わらないと思う。なので今後は、チケットがいつ売り切れになるかというのが焦点になってくるはず。個人的には、今年と同等かそれ以上にラインナップを充実させてほしいと思うし(特にグリーンの)、また願わくば値下げもしてほしい。





















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