しかしなあ。序盤は地味にハモンドオルガンを弾きながら歌っていて、せっかくのグリーンステージなのに、場内はしぃんと静まり返ってしまっている。新作をリリースしたばかりということもあって、そこからの曲が多いのは自然な流れかもしれなく、また中盤には『Back In The High Life』の変則アレンジの演奏もあった。が、これらはいずれも、スティーヴ・ウィンウッドが好きで好きで仕方がない人向けの内容だと思っていて、フェスでこれはないだろうと思うのだよ。
ジョン・スクワイアのところでも書いたけど、フェスティバルは必ずしも自分目当てのファンばかりが集まるわけではない。そうしたファンに対してどう訴えていくのかも、アーティストの腕の見せ所だと思っている。私はシビレを切らして最後まで観ずにグリーンを後にしたが、ラストの曲は『Gimme Some Lovin'』だったとのこと。こうしたヒット曲こそ出だしにかますべきだった。他にも『Higher Love』や『Roll With It』といった大ヒット曲を持っているのだし、耳慣れた曲をもっと有効に放つべきだった。そうすりゃ、昨年の井上陽水のように、フジロック史上に残るライヴにもなったかもしれないし、またそれができるだけの力量を持っている人のはずなのに。