Fuji Rock Festival'01 Day 3-Vol.2 Xzibit/Alec Empire/ムーンライダース







Xzibitは、エミネムのアルバムに客演したこともあるラッパー。まずはステージ最後方の教壇のようなブースにDJが現れる。この人はサングラスをしていて口のところはマスクでふさいでいて、表情がほとんどわからない。この後黒人のラッパーが2人登場。このどちらかがXzibitその人だと思われる。かかる音楽はヘヴィーなものが多く、ライヴもズシリと重量感のあるものに仕上がっていた。





最後の最後まで明かされなかった3日目グリーンのTBAは、2日目終了時にアレック・エンパイアと発表されていた。妥当と言えば妥当だが、なんのために前日無理してホワイトまで観に行ったのか(笑)。


アレックは、登場するや否や「デストローイ」を連呼し拳を振り上げながらステージ上を歩き回る。黒のスリーブレスのシャツに黒の革パンツ姿だ。表情がスクリーンにどアップになるが、目がイッている。音は・・・、音というよりはノイズの洪水で、アレックのヴォーカルすらもかき消してしまいそうな音量だ。バンドメンバーは、ドラム×2にキーボード、後はシーケンサを操る人だろうか。


アレックも前日のパティ・スミスと同様、ステージを降りた。そしてなんと、モッシュピットの中に入って行こうとする。セキュリティかあるいはオーディエンスにかつがれて、仁王立ち状態のアレック。ここでも拳を振り上げてオーディエンスをあおる。昨日もホワイトでコレやったのかな?





今回自身初の、そして唯一となるフィールド・オブ・ヘヴン。ステージはおととしと同じ向きに戻されていた。4つあるステージの中で会場入り口から最も奥に位置しているのは、天国の雰囲気を醸し出すためなのかなとふと思った。私が観に来たのは、ムーンライダース。日本のロック黎明期を支えた大御所は、大御所としてふんずり変えることなく、フジロックのステージに立つ。


6人編成だが、私が知っているのは鈴木慶一ただひとり。他はg、b、ds、バイオリン、キーボードという編成だ。2曲目が終わった後で、全員で汗を拭いたりミネラルを飲んだりするさまにはさすがに年を感じさせるものがあったが、以後の演奏は緊張感を維持したものになった。dsを除く全員がリードヴォーカルをとり、もうひとりのギターの人は弾きながら随時もう1本のギターを背負っている。そしてそのギター、カーナビの画面のようなパネルが取り付けられていて、そこを触ると妙な電子音が響く。バイオリンの人はトランペットも吹き、キーボードの人はアコーディオンも弾く。この変幻自在ぶりに私はぶったまげ、当初は途中で引き返すつもりがそれができなくなってしまった。


「みんなのおかげで、気持ち良く演奏できたような気がします」−ライヴ中MCは一切なかったが、終了後に鈴木慶一が満足げに言い、そしてTシャツをオーディエンスに向かって投げまくった。朝ブラフマンを観たときに、日本のロックもここまで来たんだなあとしみじみしてしまったけど、そこに至るまでに彼らのような偉大な先人がいて、轍を作ってくれたのだということを忘れてはならない。そして偉大な先人といえば、今年10年ぶりに復活して活動をしている頭脳警察にも、ぜひともフジロックのステージに立って欲しかったと思った。ヘヴンの出入り口にはミラーボールが吊られていて、ちょうど落ちてきた西日の中で妖しく光りながらくるくる回っていた。そしてその上空には、月がのぼっていた。


(2001.8.6.)
















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