Fuji Rock Festival'01 Day 2-Vol.5 Alanis Morisette/Echo & The Bunnymen







今年のフジロックに参加する人でアラニス・モリセットを楽しみにしている人ってどれくらいいるのだろうと思ったのだけれど、そんなのは余計な心配だった。今回何度目になるのか、ステージ前にはすごい人が集結している。個人的には2年ぶり2度目のアラニスのライヴとなる。


アラニス登場。腰にまで届きそうなくらいに長い髪をなびかせながらステージ上を右に左に歩き、そして歌う。2曲目で早くも『All I Really Want』だ。が・・・、どうもノドの調子が今ひとつのようだ。特に高い音が出ておらず、曲のクライマックスになるはずのサビでのシャウトはトーンを落としてゆるく歌われている。風邪でもひいたのか?『You Learn』のラストでのぐるぐる回るパフォーマンスなど、動きの方には鈍さを感じない。が、肝心かなめの声だけが・・・。


今ひとつだったノドの調子だが、曲が進むに連れて徐々に持ち直していったようだ。クライマックスで誰もが待ち望んでいたであろう『You Oughta Know』。2年前のときはオーディエンスの期待をはぐらかすかのようにわざとトーンを落として静かに歌っていたが、今回はほぼ原曲通りにエモーショナルに歌い上げていた。予期せぬ大ヒットが彼女自身を苦しめたのだろうとは思うが、時が彼女を癒し、彼女自身も持ち直したのではないかな。アンコールでの『Thank U』も神秘性を漂わせることに成功。この秋には新作が発表される予定とのことで、今後の彼女の動きから目が離せなくなりそうだ。

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この後は忙しかった。ホワイトステージでアレックエンパイアを15分だけ観た後、レッドマーキーでエコー&ザ・バニーメンを観るべく15分かかって舞い戻る。アレックとバニーメンのライヴ開始は同じ時刻のため、こちらも既にライヴ中だ。ああ、『Killing Moon』の音が漏れ聞こえてきてるじゃないか。


私が着くと、ちょうど『The Cutter』が始まったときだった。往年のヒット曲を惜しまず披露するスタイルはファンのニーズに合っていると思うし、このバンドはこれでよいのだと思う。しかし、意外と言っては失礼かもしれないが、80'sを懐かしむといった雰囲気はほとんどなく、リアリティを以って聴く側に迫ってくる。このバンドも紆余曲折を経て、何度もメンバーチェンジを繰り返して今に至っているはずだ。その今のメンバーによる演奏の精度は素晴らしくよく、そして緊張感も伝わってくる。


4月に発表した新作『Flowers』からの曲も披露。CDで聴いた限りでは、う~ん、という内容だったけど、これがライヴでは密度の高い曲として生まれ変わり、往年の名曲ともうまく溶け合ってステージを作ることに成功している。ステージはブルーのライトが照らされているが総じて暗く、イアン・マッカロク始めメンバーの表情はほとんどわからなかった。それだけが少し残念だった。単独再来日せよ!


(2001.8.5.)
















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