Fuji Rock Festival'01/Day 0 前夜祭/Boom Boom Satelites







蒼々たる顔ぶれのアーティストが、同じ日に同じステージに立つ。欧米ではすっかり定着している野外フェスティバルだが、ここ日本ではほとんど過去に例がない。この国のそうした状況に新たな風を送り込んだのが97年に行われたフジロック。あのときは主催者も参加者もまだまだ未熟で、しかも台風直撃という不運まで重なった。あれから4年。あの惨劇を体験した者にとって、まさかフジロックがここまで来るなんて予想できた人はいただろうか。単に毎年成功させているだけでなく、サマーソニックやライジングサンを始め、国内各地で野外フェスを行わせるという波及効果まで生み出したのだから。


個人的には少し寂しかった昨年のラインナップだが、今年は凄い。ほんとに凄い。私は海外のフェスティバルは体験したことがないのだけれど、今年のフジロックは、成功すれば海外にも誇れるフェスになると思う。そして、開催する前からこんなに待ち遠しかったフジロックは、それこそ第1回以来になるかもしれない。








現地入りしたのは26日の午後8時より少し前。クルマのダッシュボードに駐車券が見えるように置き、ゲートをくぐる。入場口に近いところまで案内され、駐車。私が停めたところのすぐ左には、ウェールズの旗がなびいていた。川の向こうにはキャンプサイトがあって、その奥にはヴァージンの気球が小刻みに揺れながら点滅している。


昨年から始まった前夜祭は入場無料。だけど、今年はチケットを持っていけばリストバンドに交換してくれる。これで翌日以降無駄な列ができなくて済む。ゲートで3日通しの赤のリストバンドをつけてもらい、首から提げるプログラムをもらう。そしてトイレの前を歩いていたそのとき、花火が上がった!ちょうど盆踊りが終わったくらいの時間帯で、これからDJとライヴの前夜祭第2部が始まるので、その合図かもしれない。このときはまだ立入禁止になっているグリーンステージの奥の方から打ち上げられた無数の花火に早くも感動。やってきたんじゃない。帰ってきたんだ。1年ぶりに。苗場へ。





ショップエリアは今年はオアシスと名付けられていた。入ってすぐのところに総合案内のテントがあり、既にネットでも発表済みのアーティストのキャンセルや入れ替えの告知がされていた。ここまで伏せられていた初日フィールド・オブ・ヘヴンのトリは、2日目にグリーンに出演するジュノ・リアクターが務めると発表されていた。


敷地の中心部にはやぐらがあり、その手前は渋谷クアトロ地下のショップ、岩盤のテントが。DJブースがあるようで、レッチリやケミカル・ブラザーズの曲がかかり、踊っている人も多い。それぞれの出店もほとんど開店していて、にぎわっている。前夜祭なのに、という言い方は語弊があるのかもしれないが、すごい人の多さだ。親子連れ、それと外国人の客を結構目にする。


昨年はテントだったレッドマーキーは、今年はまるで巨大な倉庫のよう。鉄骨でがっしりと組みたてられている。天井が高く圧迫感がない。昨年は日中蒸していたけど、今年は風が抜けてくれるんじゃないかな。そして屋根の色だが、シルバーから晴れてレッドに。ここではDJとライヴアクトが交互に行われ、COBRAやドロップ・キック・マーフィーズが出演。そして、スペシャルゲストはブン・ブン・サテライツと発表されていた。風があって結構肌寒いので、いったんクルマまで戻り体力を温存。10時過ぎに再び活動を開始して、マーキーに入る。





あくまで体感だが、昨年より幾分広くなったレッドマーキーは、既に8割に近い人の入りになっていた。人の間をぬってなんとか中盤まで行く。ブン・ブン・サテライツはこれまでも何度かフジロックに出演してはいるが、個人的には観るのはこれが初めてだ。思ったほどエレクトリックに寄り過ぎず、音はむしろかなりロック。音の底辺を支えるドラムがすさまじく、機械音声っぽいヴォーカルもカッコいい。ステージ後方には大きなスクリーンがあって、ステージショットが矢継ぎ早に流れる。曲はほとんど切れ目がなく突き進み、マーキー内は巨大ダンスフロアと化す。


演奏時間は40分だったが、緊張感を維持したままのライヴに、これで充分過ぎるほど満足。普段のライヴでこれ以上演っているのかと思うと、むしろ恐ろしくなる。私の少し前にミュージシャンとその関係者っぽい人たちがいた。翌日パンフで写真を見て探し、マーキー初日に出演するガーリングの面々だったことがわかった。





去年はやけどしてしまったこともあり、ひととおり場内を眺めただけで終わった前夜祭。今年は堪能したぜ(笑)。そしていよいよ素晴らしい3日間が始まる。まだまだ、お楽しみはこれからだ!


(2001.8.2.)
















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