Fuji Rock Awakening Vol.7 Sonic Youth / Mogwai







2年ぶりにアルバムを発表したソニック・ユース。そして同時にフジロック参戦も2年ぶりとなる。前作『a thousand leaves』は『goo』以来のポップメロディー復活を含めてキャリア集大成的作品となったが、新譜『NY Ghosts & Flowers』は、再び実験的なスタンスに戻っている。


正直私はソニック・ユースがフジロックに出演、と聞いてもあまり嬉しく思わなかった。またかよ、って。2年前はフジロックの後単独公演で来日してるし、ジョンスペといい(笑)、何度日本に来れば気が済むのか。世界をマーケットにして活動しているはずなのに日本に固執しすぎなんじゃないのかなあ、という不安と違和感を覚えていた。パール・ジャムやR.E.M.のようになかなか日本に来ないアーティストもいれば、彼らのような人たちもいる。


同じ時間帯に他に観たいアーティストもいなかったので、私はそのままグリーンに留まっていた。さして彼らには期待していなかった。…のだが、なんと驚くべきことに、ライヴの1曲目は『Teenage Riot』だったのだ!


インディー時代を締めくくった大傑作『Daydream Nation』のトップを飾り、同じくインディー時代を総括したベスト盤『Screaming Fields Of Sonic Love』のトップをも飾り、つまりバンドにとって極めて重要な位置を占めているこの曲。と同時に、96年1月、クラブチッタで私が初めて彼らを観たときのライヴの1曲目もこの曲だった!私は思わずレジャーシートを飛び出してステージ前方に向かった。


ステージ上はお馴染みのメンバー。しかし今回は"盟友"ジム・オルークがサポートとしてギターで参加し、脇を締める。以後のライヴはやはり『NY Ghosts & Flowers』からの曲を中心に進められる。およそフェスティバルに似つかわしくないノイジーでメタリックなサウンドが響き渡る。が、個人的にはこれぞソニック・ユースという痛快さを感じていた。








レッドマーキーにモグワイを観に行く。ほとんどヴォーカルのないインストの世界なのだが、これが凄かったあ。日没も近くなり、テント内も過ごしやすくなっているが、バンドが発する音の洪水によって、場内は凍りついているのだ。密閉されているはずの場内にいることを忘れてしまうような壮大で開放的な音の銀世界に、ただただ圧倒され、打ちのめされてしまった。どうせフジロックに出るのなら、ホワイトかグリーンの野外で演らせてあげたかったバンドだ。

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(2000.8.16.)
















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