Fuji Rock Awakening Vol.5 Ozmatli / Animalhouse







今日は晴れた。人通りの多かった道はまだぬかるんではいるものの、フェス開催に大きな支障はない。グリーンステージ向かって左側の木陰にシートを敷き、開演を待つ。1日目より人が減ったような気がする。


2日目グリーンのトップはオゾマトリ。なななななんと、PA後方に出現し、演奏しながらの登場だ!まるでブレーメンの音楽隊みたい。ジャンジャンジャカジャカやって、そのバンドの周囲をオーディエンスが取り囲む。集団が少しずつステージに近づき、やがてバンドはステージに上がって姿を見せた。


昨年のロケット・フロム・ザ・クリプトやスカパラ、トドスなどもそうだったが、大人数で多種多様の楽器を操るバンドというのは、特に野外ライヴでは有効なように思える。たとえ事前にそのバンドのことを全く知らなかったとしても、その場ですぐに音の中に溶け込んでしまう。そして自分の隣にいる人が見知らぬ人であっても、不思議と友達のように思えてしまう…、そんな魔力を備えている。私が前日に感じた「フジロックが覚醒しつつある」というのは、こうしたバンドが起用されること、そして日本のバンドであるブランキーをグリーンのトリに持ってきたことなど、そしてそのどれもが苗場という異空間にシンクロし、ここでしか起こりえない、成し得ないフェスティバルなんじゃないかなあ、と思うのだ。








マッチョボディーを披露したロリンズ・バンドを経て、グリーンステージの午後はアニマルハウス。ライドが空中分解した後、アンディ・ベルはハリケーン#1を結成し、そして現在はオアシスのメンバーに。片やマーク・ガードナーの方は、これまでずっと沈黙状態が続いていた。それが今年、ついに再始動だ。


うーん。だけど結論から書いてしまうと、私にとっては今ひとつの内容だった。「観れた」ことだけがよかったライヴになってしまっただろうか。帰還、再始動という感動は、アルバム『Ready To Receive』の中で既に垣間見ることができた「音楽的限界」を上回ることができず、それは今回のフェス出演でも結局は払拭できなかったと思う。かなり厳しい見方かもしれないが、アニマルハウスの次のニュースが「解散」であっても少しもおかしくないだろう。ここにあるのはシー・ホーセズと同じベクトルだ。ライドを生で体験できなかった私にとっては、3月のアンディに続き、今回マーク・ガードナーを観れたことだけがよかったこととして受け止められた。








この日初めてレッドマーキーに行く。ちょうどヨ・ラ・テンゴのライヴ中。場内はいやに静かで、オーディエンスがバンドの演奏に見入っている状態で、曲が終わると何重もの拍手に包まれる。しかし、雨をしのぐのには好都合だったテントも、晴れたこの日は蒸し暑さを貯め込んでいるだけで、私は1曲を観るのが精一杯だった。











(2000.8.14.)
















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