The Wallflowers
=ザ・ウォールフラワーズ=






 初めてその姿を見たのは、数年前にBSで放送された97年のMTVアウォードでだった。表彰式の合間合間にステージでライヴが行われるのだが、そこにウォールフラワーズの面々が立ち、『One Headlight』を披露したのだ。


フロントのジェイコブ・ディランの隣に陣取っていたのは、なんとブルース・スプリングスティーン。『Bringing Down The Horse』が大ヒットを記録しバンドとして上昇気運にあったウォールフラワーズと、シングル『Streets Of Philadelphia』、アルバム『The Ghost Of Tom Joad』を輩出し、この時期キャリアを通してもある意味重要な活動をしていた(と個人的に思っている)スプリングスティーン。たった1曲のパフォーマンスではあったが、両者が持ち得るポテンシャルが結合し化学反応した、奇跡的な瞬間だった。私はイチコロにやられてしまい(笑)、以後彼らを追いかけるようになった。



ジェイコブ・ディランは、ご存知ボブ・ディランの息子。ジェイコブに父の面影を見、父と同様の音楽を求めるファンも少なくないかもしれない。ジェイコブはそうしたファンの想いを重荷に感じることなく(それで苦悩した時期もあったのかもしれないが)、逆にプラスに転化して自らの血肉と化すことに成功している。


父に似てはいるが、父ほどしわがれてはいない声。父の面影を残すその表情。その目は透き通っているようでいて、同時に射るような鋭さを放っている。ギターとピアノをベースにした、オーソドックスなスタイルのロックは90'sでは逆に異端的存在となり、それがかえって功を奏している。前述のMTVアウォードでのパフォーマンスも言わばアメリカン・ロック2世代の共演であり、更に付け加えれば父ボブ・ディランと1本の線で結ぶこともできるだろう。UKでのポール・マッカートニー〜ポール・ウェラー〜ノエル・ギャラガーの共演をついつい思い出してしまう。





98年にはグラミーにノミネートもされ、ツアーではローリング・ストーンズのオープニングを務めるなどして顔を売り、既に本国アメリカでは押しも押されぬバンドにのし上がった感があるウォールフラワーズ。しかし日本公演は今回が初めてだ。どれだけのパフォーマンスを見せてくれるのか、そしてどれだけのインパクトを残すことができるのか。コンサートが楽しみだ。
















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