Nirvana Discography　Compilation Album

　解散から8年を経て、遂に、そして唐突にリリースされた、バンドにとって初のベスト盤。『MTV Unplugged』までをフォローし、代表的な曲をいっぺんに聴けるお得用だが、同時に最後のレコーディング曲である『You Know You're Right』がり本邦初公開として冒頭に収録されていて、熱心なファンにとっても見逃せない作品だ。混沌とした曲調でバンドの末期の状態が現れている反面ポップでもあり、聴いていて複雑な気持ちにさせられる。ラスト2曲は、日本盤オンリーのボーナストラック。

　サブポップ時代のシングル、及びカップリング曲等を集めた編集盤。別バージョンやライヴテイクなども収録されていて、しかもそのどれもがオリジナルアルバムに劣らないクォリティの高さを誇っていて、熱心なファンでなくとも聴いて楽しめるはずだ。カヴァーも豊富で、『Turnaround』はディーヴォ、『Molly's Lips』『Son Of A Gun』はヴァセリンズがオリジナル。カートはヴァセリンズに心酔していて、愛娘フランシスの名は、このバンドの女性メンバーから取っている(もし息子だったら、男性メンバーの名「ユージン」とつけていたそうだ)。

　92年2月に実現した、ニルヴァーナただ1回の来日公演にリンクする記念盤という形でリリースされたミニアルバム。しかし、権利関係の問題ですぐ廃盤になってしまった。収録曲のうち4曲は『Incesticide』に収録され、残る2曲『D-7』『Even In His Youth』についても、2004年にリリースされたBoxに収録されてしまったため、今となっては熱心なマニア向けのアイテム的な存在になっている。

　未発表音源を満載したCD3枚組＋DVD。曲はほぼ年代順に並べられていて、デビュー前の音源から始まり、メジャーデビュー、そして終末に向けてという、バンドの足跡が辿れる構成になっている。曲により極端に音質が悪いこともするが、音源が世に出たことを感謝すべきだ。カヴァー曲にも注目。Disc 1の冒頭は、レッド・ツェッペリンの『Heartbreaker』でほぼ完コピ。他にも『Moby Dick』なども収録。DVD映像は更に貴重で、クリス・ノヴォゼリックの母の自宅でのリハーサルに始まり、ライヴハウスやホテルでのパフォーマンスなどが収録。ホテルでの『Smells Like Teens Spirit』は、初演奏の場面とのことだ。

　『With The Lights Out』を1枚のCDに凝縮したダイジェスト版。Boxは敷居が高いと感じる人にとっては手軽に手を付けやすいアイテムであり、しかも『Spank Thru』『Sappy』『Come As You Are』の3曲はBoxには未収録で、よって熱心なファンにとっても見過ごせない。音源が収録されているであろうテープが無造作に積まれている様子を捉えたジャケットも、なんだか感動的だ。

　グランジ勃発の総本山となった、シアトルのインディーレーベル「サブポップ」のオムニバス盤。88年にリリースされるもすぐ廃盤となり、97年に再リリースされた。ニルヴァーナやマッドハニー、サウンドガーデンといったところは、やがて全米～世界をマーケットとするバンドにまで成長。またパール･ジャムの前身バンドと言っていいグリーン･リヴァーの名前もあって、貴重かつ贅沢な作品と言える。しかし、彼ら「以外」のマイナーなバンドの音に浸る方が、グランジの本質に近づける気がする。