Neil Young Discography　Compilation Album

　バッファロー･スプリングフィールド時代から77年の『American Stars'n Bars』まで、更にはスティルス＝ヤングの曲もフォローした2枚組ベスト。バッファロー幻のアルバム『Stampede』からの『Down To The Wire』を含む5曲の未発表曲を収録し、前期ニールの代表曲はほとんど詰まっている。『Ohio』はCSN&Y名義でシングルリリースされている、オハイオ州で反戦運動をしていた学生4人が殺されたことに対する怒りの歌。ライナーには自ら各曲についてのコメントも寄せていて、初心者にもマニアにもお薦めできる作品だ。

　日本～オーストラリア～ニュージーランドと、89年のツアー地域限定で発売された記念盤。全5曲中3曲がこの年11月に発売される『Freedom』とダブっていることもあり、マニア向けのアイテムか。今作にのみ収録の『Cocaine Eyes』『Heavy Love』は、いずれもヘヴィーで骨太なロックンロール。タイトル曲は、カスタネットの音色が印象的な異国情緒漂うナンバーだ。バックバンド"レストレス"は、前作『This Note's For You』のブルーノーツのメンバー2人で、これにあと2人が加わって"ロスト･ドッグス"となり、日本公演を果たしている。

　当初は『Weld』のボーナス盤として発売されていたが、後から単独で発売されるようになった。曲名なしの全1曲35分。全編歪んだギターノイズの洪水で、その中にニールのかすれた声と『Like A Hurricane』のフレーズが見え隠れする。ルー･リードの『Metal Machine Music』にも通ずるベクトルを感じている(もっとも、向こうは今でこそ再評価されているが発売当時は酷評の嵐だったが)。ルーとニールの両者を橋渡しするのはソニック･ユースのサーストン･ムーア、という相関図を思い浮かべてみたりもする。

　障害を持つ子供のための学校"ブリッジ･スクール"。この趣旨に共感したニール夫妻が愛息を入学させ、以後バックアップを行うようになった。その一環としてニールの夫人が発起人となり、ほぼ年1回のペースで行われているベネフィット･コンサートからの演奏(全てアコースティック)をピックアップして収めたアルバム。86年からのものを収録したライヴコンピ盤で、ニールの意思に共感した蒼々たる顔ぶれのアーティストが参加している。ラヴモンガーズは実はハートのウィルソン姉妹(そして曲もツェッペリン！)だ。