Coda コーダ

Sales Date:1982.11. 1. We're Gonna Groove 5. Ozone Baby
Produce:Jimmy Page 2. Poor Tom 6. Darlene
3. I Can't Quit You Baby 7. Bonzo's Montreux
4. Walter's Walk 8. Wearing And Tearing






80年夏にはバンドはヨーロッパツアーを敢行し、また秋からは全米ツアーを行う予定になっていた。そのリハーサルが始まったばかりの中で、悲劇が起こった。




ジョン・ボーナムは大量のウォッカを飲み、泥酔してそのまま眠ってしまった。翌朝になっても起きて来ない。アシスタントが起こしにいったが、ボーナムは嘔吐物を咽喉につまらせて窒息死していた。1980年9月25日。享年31歳だった。




世の中では、後任ドラマー候補としてコージー・パウエルやカール・パーマーの名が挙がった。しかし、ジミー・ペイジにも、ロバート・プラントにも、ジョン・ポール・ジョーンズにも、ジョン・ボーナム以外のドラマーはあり得なかった。1980年12月4日。メンバーは、バンドが強い絆で結ばれてきたと信じているし、大切な親友を失った今、これ以上活動を続けていくのは不可能である、という旨の解散声明を発表した。




解散後、メンバーはそれぞれに活動を始め、その動向が注目された。そうした中、アトランティックと交わした契約を果たすためにレッド・ツェッペリンとしてあと1枚アルバムをリリースしなければならず、3人はツェッペリンのラストアルバムを制作するために集まった。その内容は、ツェッペリン12年の活動の中で生み出された作品の中から、アルバムにもシングルにも漏れた作品を寄せ合って作ることになった。




アルバムタイトルは『CODA』と名付けられた。これは楽曲の「最終楽章」、あるいは小説の終局部という意味らしい。文字通り、このアルバムにてレッド・ツェッペリンの歴史には幕引きが成されたことになる。




どの曲も小品集といった面持ちで、アルバムトータルとしても今1つ物足りないという感はどうしてもぬぐえない。しかしそこはツェッペリン。全く見どころ聴きどころがないはずはない。『Bonzo's Montreux』はその名の通りモントルーでのジョン・ボーナムのパーカッションパフォーマンスにジミー・ペイジがリミックスを加えたもので、このアルバムに収録することを決めたジミー・ペイジの愛情を感じることができるだろう。『We're Gonna Groove』はベン・E・キングのカバーで、ライヴのオープニングを飾ったこともある。




そしてラストに収録されている『Wearing And Tearing』。前作『In Through The Out Door』のアウトテイクのひとつだが、アルバムから漏れたとは到底思い難い出色の出来だ。聴いている側にも緊張感を強いる演奏力、そして突然曲が終わってしまうエンディングにもハッとさせられる。これはロバート・プラントが当時のパンク~ニューウェイヴを意識して書いた曲なのだという。












しかし『Wearing And Tearing』は、数年後に意外な形で復活し、その曲の真価、そしてレッド・ツェッペリンがどれだけ優れたバンドであったのかを証明してみせるのだ。











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