Eric Clapton Discography　Solo 00's

　クラプトンにとっては念願だった、御大B.B.キングとの共演が実現。2人のギターのコンビネーションもよく、ヴォーカルではキングが前面となって存在感を示している。クラプトンは若い頃に戻ったかのように奔放にギターを弾き(『I Wanna Be』辺りは特に)、そして控え目に歌っているように思える。クラプトンのオリジナル曲はないが、『Key To The Highway』『Worried Life Blues』は既にお馴染みの曲。笑顔溢れる2人がキャデラックに乗っているジャケットが微笑ましく、中ジャケには若い頃の2人が並んでいる写真も掲載。

　オリジナルとカヴァーの比率が半々で、冒頭を飾るインストのタイトル曲を始めボサノヴァ調の曲が多い。ジャケットは自身の幼少の頃の写真であり、"Reptile"は親しい友人に向かってかけることばなのだそうだ(直訳すると爬虫類の意)。ライナーには自らのコメントもあり、本作が昨年亡くなった叔父に対して捧げられたことを語っている。カヴァーは叔父が好んでいた曲と思われ、オリジナルは叔父に対するオマージュなのだろう。全体にリラックスした雰囲気が漂い、創作活動をして世に問うという緊張感はなく、自分が好きでやりたい音楽をやっているように受け取れる。

　『Reptile』ツアーから、2001年8月のL.A.公演、及び同年暮れに行われた日本公演から武道館の音源をピックアップして編集されたライヴアルバム。今やお馴染みブル−スのカヴァーや90年代のヒット曲をベースとしつつ、キャリアを代表する曲がちりばめられ、ロックでありブルースでありコンテンポラリーであるという、21世紀のクラプトンの音楽的趣向が集約されたような内容だ。このときのバンドにはコーラス隊はなく、代わりにキーボードが2人。そのひとりであるデヴィッド･サンシャスが、随所で見せ場を作っているのに注目だ。

　『From The Cradole』以来となる全曲カヴァーのアルバムで、その元ねたはクラプトンが自身のキャリアを通じて敬愛の念を捧げ続けてきた、ロバート･ジョンソンだ。アコースティックとエレクトリックの両面から捉えるアプローチは、ロバートへのリスペクトがにじみ出ると同時に、クラプトンのアーティストとしての立ち位置をも際立たせる。前年のツアーに参加していた、ビリー･プレストンのキーボードプレイにも注目。今までカヴァーしてきた曲とはかぶっておらず、聴く側にとってはクラプトンを通してロバートの音楽に触れられるよきアイテムとしても機能する。

　前作に引き続いてのロバート･ジョンソン作品のカヴァーアルバム。今回はタイトルの通り、セッションのスタイルをとることによりライヴ感を前面に出しているのが特徴だ。商品形態をDVD付としているのがポイントで、収録時間もCD(約44分)を大きく凌駕しているDVD(約97分)は必見。クラプトン自身によるコメントから始まり、そして場所や時期の異なる4箇所でのセッションになる。スタジオでのバンドスタイルや、ホテルでのもうひとりのギタリストとのアコースティックスタイル、更にはクラプトンひとりだけでのセッションもある。

　久々となるオリジナル作品。『Love Comes To Everyone』は、盟友だったジョージ･ハリスンのカヴァー。ブラインド･フェイス時代の盟友である、スティーヴ･ウィンウッドもゲスト参加している。そして冒頭の『So Tired』には、なんと幼い愛息が参加しているそうだ。久々のレゲエナンバーも見られるが、全体的にはコンテンポラリー色が濃く、肩の力の抜けていてリラックスした作風に仕上がっていると感じる。『Say What You Will』は愛知万博のテーマ曲に採用され、またアイドルグループSmapにもカヴァーされていて、日本人にも馴染みの深い作品にもなった。