David Bowie Discography　Videos

　当初はいくつかある公演から選ばれて収録されたライヴだが、ラスト直前にボウイが突然ステージから引退宣言をしたことによって、結果的にジギー最終公演を記録した映像になってしまった。それが収録から10年を経て、劇場用作品として公開。全体的に画面が暗いのが不満ではあるが、それでも奇抜な衣装をまとって鬼気迫るパフォーマンスをするボウイ、鮮やかなギタープレイで魅せるミック･ロンソンなど、見どころは多い。リンゴ･スターやアンジー夫人(当時)の姿も確認できる、楽屋のシーンも見逃せない。

　93年リリースのPV集『ビデオ･コレクション』の全曲を網羅し、かつテレビ番組出演時の映像や90'sの曲まで収録した、ボウイ映像集の決定版。2枚組全47曲4時間以上というヴォリュームも凄いが、更には8曲の隠しトラックも収録。特に『Blue Jean』については、20分以上のドラマ風バージョンとMTV用のプロモライヴの2種類を包含していて、とてもありがたい。『Hallo Spaceboy』にはペット･ショップ･ボーイズが、『I'm Afraid Of Americans』にはナイン･インチ･ネイルズのトレント･レズナーが、それぞれ出演している。

　『Low』『Heroes』のツアーで2度目の来日を果たしたボウイの、最終となるNHKホール公演がNHKで放送されたもの。無数の蛍光灯をバックにしての『Walsawa』には、何度観てもゾクゾクとさせられる。このときのドラマーは、ジェネシスのツアードラマーでもあったチェスター･トンプソンが務めている。ここではジギー時代の曲の比重が高いが、実際のライヴは2部構成＋アンコールで計22曲が演奏されている。正規盤としてのリリースが望まれる。

　フィラデルフィアとロンドンの2箇所で同時に行われた、ライヴエイド。ボウイはロンドンのステージに出演し、4曲を演奏。大観衆を前にして気合い入りまくりのボウイ、そして2人の女性コーラスが印象的だ。なお、ミック･ジャガーとのデュエット曲『Dancing In The Street』も、翌月のリリースに先駆けてPVがオンエアされている。

　ライヴエイドから14年後に、再びチャリティーイベントが行われた。ボウイ自身はライヴパフォーマー／エンターテイナーとしては常に第一線を歩んできたと思うが、90's半ばからは音楽的にも復調の兆しを見せていて、それがより一層ステージの密度を濃くしている。自身の半生を振り返ったかのような曲『Survive』歌うボウイの姿に、観ている方もしみじみとさせられる。

　ボウイが50歳を迎えたその翌日に、ニューヨークはマジソン･スクエア･ガーデンにて行われたバースデー･コンサート。オルタナ系の多彩なゲストを迎えて共演し、この人の音楽性の幅広さや奥の深さを、別の角度から立証する形になった。盟友ルー･リードとは、実際には『Dirty Blvd.』『I'm Waiting For The Man』といった曲も共に演奏。しかし最も注目すべきは、演奏した曲の多くがこの翌月にリリースされる『Earthling』からで、つまりはボウイが現役第一線で勝負し続けることを、世に知らしめるためのパーティーだったのだ。