Your Imagination - 復活

ブライアン・ウィルソン・ストーリーVol.7

 97年、愛娘カーリーとウェンディによるザ・ウェンディズのアルバムにブライアンが参加。当初は親子でバンド結成ということのようだったが、結果的には数曲に参加したのみ。ありゃりゃ。がしかし、愛娘たちの甘いヴォーカルの合間に聞こえるブライアンのヴォーカル、そのコンビネーションに言いしれない感動を覚える。88年のソロファースト発表以来、ブライアンは外部との交流に積極的であった。そして・・・、



Imagination


 98年発表。当初は『Brian Wilson』を初めて聴いたときと同じで、なかなかいいじゃんぐらいの印象しか持たなかった(実際、『Imagination』は個人的98年ベストアルバムからは漏れている)。それが、今年になって改めて何度も聴き直してみることにより、よくぞここまでやってくれた、よくぞここまで復活してくれた、という想いでいっぱいになった。


 とにかく各曲のクォリティの高さに驚きである。これはビーチ・ボーイズの往年の名曲に比べても少しも見劣りしないのだ。イーグルスのメンバーで、『Hotel California』の文脈を今に受け継いで活動し続けているのはドン・ヘンリーだけだと思っているが、『Imagination』はまさしく『Pet Sounds』の音楽性を継承しているアルバムである。それはすなわちブライアンが50代にして初めてソロアーティストとして覚醒したことの証明なのだ。



Imagination(Video)


 こちらは99年に発表された、アルバムの内容とシンクロするビデオ。98年5月に一夜限りで行われたスタジオライヴをそのまま収録している。バックには職人ミュージシャンが陣取り、更に"盟友"ブルース・ジョンストン、クリストファー・クロス、そしてティモシー・B・シュミットが脇を固めているという豪華さである。ライヴ映像の合間には、これらの共演ミュージシャンの他、なんとエリック・クラプトンやスティーヴィー・ワンダー、それに若手ではショーン・レノンなどがコメントを寄せている。他にはビーチ・ボーイズの貴重な映像や、『Imagination』のレコーディング風景などが収録されている。


 そしてブライアンは初めてソロツアーを敢行。ツアーメンバー、特にコーラスを大所帯にし、そしてセットリストは往年のビーチ・ボーイズ・ナンバーが目白押しというヨダレものの内容である。このようなインパクトを感じるのは、10年前にポール・マッカートニーがワールドツアーを敢行してその半分以上がビートルズナンバーであった、こと以来ではないか。


 そしてなんとなんとなんと、ついに来日公演までもが実現してしまった。大阪1回に東京3回という設定。ブライアン自身にとってはなんと20年ぶりの来日である。年はとったがブライアンのあのみずみずしいヴォーカルは健在だ。『Surfin' USA』が、『Wouldn't It Be Nice』が、『God Only Knows』が、『Good Vobrations』が、『Caroline,No』が、ナマで観れて、ナマで聴けてしまうのだ。




(99.7.11.)
















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