推理作家ポー 最期の5日間(2012年)
推理小説を書かなくなったエドガー・アラン・ポーは評判を落とし、酒代もなく店から叩き出される始末。一方、母娘が殺害される事件や男が巨大な刃の振り子で胴体を真っ二つにされる凄惨な事件が起こる。
フィールズ警視正は、殺人の手口がかつてポーが書いた小説に酷似していることに気づき、ポーに捜査協力を申し出る。そして犯人は、ポーの婚約者エミリーの父が主催する仮面舞踏会での殺害を予告し、ポーや警官らが警備する中でエミリーは誘拐されてしまった。犯人は、一連の事件をアイディアとして小説として新聞に連載することを、ポーに要求する。
邦題にある通り、1849年に謎の死を遂げた、エドガー・アラン・ポーの最期の5日間を、ポーの作品に絡める殺人事件という形で描いている。キャストは、主人公ポーがジョン・キューザック(『ハイ・フィデリティ』)、フィールズはルーク・エヴァンズ(『ドラキュラZERO』のヴラド、『美女と野獣』のガストンなど)、エミリーはアリス・イヴ(『メン・イン・ブラック3』の若き日のエージェントO)、エミリーの父親はブレンダン・グリーソン(『ハリー・ポッター』のマッド・アイなど)だった。
推理サスペンスものとしてとてもよくできてはいるが、犯人自身のキャラクターや犯行動機についての描き方が少なすぎて、今一つよくわからなかった。いや、あるいは、ポーの作品を読んでいれば、もっと楽しめたのかもしれない。
がしかし、全く読んでいないワタシでもひとつだけおおっと思ったところがある。映画の原題は『The Raven(大鴉)』となっていて、劇中でもポーが朗読する場面があったり、大鴉が象徴的に何度か登場する。そして、ルー・リードがポーに触発されて作った、その名も『The Raven』というアルバムがあるのだ。
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