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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(少しネタバレ)

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(少しネタバレ)

アメリカ本土に連れてこられた恐竜が、人間の世界に放たれてから4年。恐竜は繁殖して世界中に生息するようになり、人間の生活にも被害や混乱が生じていた。バイオシン社はイタリアの山脈内に施設「バイオシン・サンクチュアリ」を作り、恐竜の保護と研究をおこなっていた。

オーウェンとクレアは、山奥でメイジーと暮らしつつ、ヴェロキラプトルのブルーと、その子供ベータを保護していた。あるとき、恐竜の密売者がベータとメイジーを拉致。オーウェンたちは、移送先がバイオシン・サンクチュアリであることを突き止めて、闇市場に潜入する。

ジュラシック・ワールド』シリーズの3作目、『ジュラシック・パーク』から数えると6作目になり、そしてシリーズ完結編になる。予告編の時点で明らかにされているが、『ジュラシック・パーク』シリーズの主要キャラクターが出演していて、ちょっとアベンジャーズのようだ。

巨大イナゴによる被害を検知したエリー・サトラー博士が、アラン・グラント博士と共にバイオシン・サンクチュアリを訪問。バイオシンに雇用されているイアン・マルコム博士の手引きにより、厳重に管理されているラボに潜入して、巨大イナゴに恐竜のDNAが配合されている証拠を掴もうとする。

オーウェン一行とグラント一行は、それぞれに行動。まず、誘拐されたメイジーがグラントとサトラーに接触し、施設からの脱出を試みる。一方のオーウェン一行は、マルタで密売人たちと対峙しつつ、なんとか施設にたどり着く。終盤でやっと両者は合流し、恐竜に襲われそうになるのを共に切り抜ける。

二世代、いやメイジーも加えた三世代の共演が素晴らしい。知恵や知識、そして行動で、お互いを思い、補っている。その中心にいるのは、サトラーだ。メイジーは前作『炎の王国』でクローン人間とされていたが、本作で真実が明らかになる。サトラーはメイジーの母を知っていて、人となりを彼女に聞かせる。終盤、クレアとふたりで地下の分電盤操作に向かった際、クレアにかけたことばは、どれも重みがあった。

キャストは、オーウェンに、クレアにブライス・ダラス・ハワード、メイジーにイザベラ・サーモン、グラントにサム・ニール、サトラーにローラ・ダーン、マルコムにジェフ・ゴールドブラムと、もちろん不動。エンドロールでは、サム・ニールよりもローラ・ダーンの方が先だったが、上記の理由で個人的には納得している。

クリス・プラットは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』よりも大人びている印象で、それはメイジーの父親役やブルーの保護者も担っているという役柄からかもしれない。ブライス・ダラス・ハワードは、『スパイダーマン3』『ターミネーター4』のときを思えば、地に足がつき、存在感が格段に大きくなっている。

サム・ニールは、『ハンター』『トレイン・ミッション』でのクセのある役柄も見ているが、やはりグラント役が最もしっくりきていると思う。『ソー:ラブ&サンダー』では、劇中劇でオーディンを演じていた。ジェフ・ゴールドブラムはシリーズ最多の4作に出演していて、実はかなりおいしいポジションにいる。

邦題は『新たなる支配者』、原題は『Jurassic World : Dominion』となっていて、つまり「支配」がキーワードになっている。物語では人間と恐竜が共存していくことを匂わせているが、将来はどちらかが支配者になることを暗示しているかのようだ。

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