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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(ネタバレ注意)

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(ネタバレ注意)

前作『ファー・フロム・ホーム』のラストで、ミステリオの策略により正体を明かされてしまった、/ピーター・パーカー。取り調べを受け、盲目の弁護士マードックの尽力で不起訴になる。しかし、ピーターたちは常に周囲の目にさらされ、自身だけでなくMJとネッドも、MITの受験を不当に不合格にされてしまう。

ピーターはスティーヴン・ストレンジ/ドクター・ストレンジに助けを求め、スティーヴンはスパイダーマンの正体を忘れる呪文を使う。しかし、呪文を唱えている最中にピーターがあれこれ条件をつけたため、呪文は失敗。更に、正体がピーターだと知るヴィランたちが、別の世界から次々に召喚されていた。

トム・ホランドが主演する、MCU版スパイダーマンの3作目になる。まずは不満。上記の通り、今回戦う相手は自ら呼び寄せてしまった「やらかし」で、『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』と同じく身から出た錆だ。恐らく、劇中では多くの建造物が破壊され、多くの人が犠牲になったことだろう。ピーターが高校生とはいえ、なんとも幼稚だ。

がしかし、この「やらかし」があったからこそ、奇跡の連続になったのだ。

スティーヴンのスリング・リングを使い、ネッドがスパイダーマンを呼び寄せることを試みた。空間移動してやってきたスパイダーマンがマスクを脱ぎ捨てると、アンドリュー・ガーフィールドが!続いて、トビー・マグワイアも!

(以下、スパイダーマン/ピーターは俳優名で表記する)

この瞬間、劇場内がどよめいた。会話自粛が基本の場内で、時にくすくす笑うのは許容範囲、そしてどよめきも許容範囲と思うが、後者は滅多なことでは起こらない。個人的な体験では、『スター・ウォーズ フォースの覚醒』で、ハリソン・フォード演じるハン・ソロがチューバッカと共に登場したとき以来だ。

2人が登場することは、個人的には情報として知っていたし、予想もしていた。ただ、ほんのちょっとのカメオ出演や、CGを駆使したバーチャルな登場になるかも、とも想定していた。しかし、演じていたのは本人たちだったし、トム・ホランドと3人協力体制でヴィランたちを元の世界に戻すことを目指していた。つまり、がっつり出演してくれたのだ。

日本の場合、ウルトラマンや仮面ライダーで歴代ヒーローが勢揃いするシーンを体験している。しかしこれは、同じ世界の中で戦っているという前提があるからだ。対して今回は、本来なら交わらない、ありえないことが実現してしまった。トビー・マグワイヤ版も、アンドリュー・ガーフィールド版も、決してお茶を濁した程度の作品規模ではなく、どちらも世界的に大ヒットした。21世紀以降で3種類のスパイダーマンが存在するのは、大人の事情というネガティブな側面もあった。がしかし、この瞬間にオールOKになったのだ。

ネッドがピーターを呼んだときには3人とも反応、スパイダーマンと言い換えてもやっぱり3人反応、と、微笑ましいシーンがあった。ホランドとアンドリューは機器を使ってスパイダーネットを射出するが、トビーは体内から直接ネットを出していて、違いを発見するさまも見ていて痛快だった。クライマックスで落下するMJにホランドは届かず、しかしアンドリューが届いて彼女を救うシーンは、かつてグウェンを救えなかったシーンに掛かっていた。

召喚されたヴィランたちは、グリーン・ゴブリン、ドクター・オクトパス、サンドマン、リザード、エレクトロ。トビー版とアンドリュー版の計5作から均等にピックアップされていて、これも見事。サンドマンはCGだったようだが、ほかは演者の交代なく、同じ人が演じていた。ゴブリンとオズボーンを演じ分けた、ウィレム・デフォーはすごかった。ドクター・オクトパスが今回良心的なポジションなのは、アルフレッド・モリーナの希望かな、という想像もしてしまった。

エンドロールでトム・ハーディー演じるエディ・ブロックが登場するが、このあと膨らむようには見えず、このニアミスにとどまるのかもしれないと思った。そして見終わった後に調べてわかったことだが、序盤に登場した弁護士マードックは、デアデビルだそうだ。ネッドには魔術師の素養が垣間見られ、彼はこのあと公開予定の『ドクター・ストレンジ』に出演する可能性がある。というわけで、MCUはまだまだその世界観を拡大・進行させていく。

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