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フィフス・エレメント(1997年)

フィフス・エレメント(1997年)

23世紀の未来。5000年に1度やってくるという生命体から地球を守るためには、4つの石(エレメント)と棺(フィフス・エレメント)が鍵になっている。軍を除隊していたコーベン・ダラスは、かつての上官からこの任を命ぜられ、不思議な女性リー・ルーと共に動き出す。

未来都市の風景は『ブレードランナー』の発展形を思わせ、好感が持てる。しかしストーリーの方は、地球を救うことをテーマに主人公たちが奔走するという、ストレートな展開。もうひとひねりあってもよかったかな。敵役であるの怪演が相変わらずなのが救われるところで、その部下役を、なんとあのトリッキーが演じているのにはぶったまげた。

キャストは、コーベンに。コーベンのキャラクターはどことなく寺沢武一のに似ていて、ぼやきながらもやるときはやるという、『ダイ・ハード』のマクレーンともかぶるキャラは、この人にとってはうってつけだ。リー・ルーにで、それまでモデルとして活動していた彼女にとって、女優として飛躍するきっかけになった役柄だと思う。しかしこのときのミラは体が細すぎで、体力もつのかと観ていて心配になってしまうほど。

監督のリュック・ベッソンが長年温めていた構想を実現した作品、という大層な触れ込みの割に、そこまでの密度も完成度も感じられず、幾多あるSF映画のひとつに留まっている感触だ。リー・ルーが話す言語は独自に考案したとのことだが、そこまでする必然性も感じられなかった。

この人の代表作『レオン』は、もともと『フィフス・エレメント』の制作費を捻出するために作ったと言われていて、結果的にその願いは叶ったことになるが、作品としての評判は『レオン』の方がはるかに上回っている。ワタシもそう思う。

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