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ニルヴァーナがポール・マッカートニーを迎えて再結成『121212 ニューヨーク、奇跡のライブ』

公開日: : 最終更新日:2021/04/15 Nirvana ,

121212 ニューヨーク、奇跡のライブ

2012年10月、ハリケーン「サンディ」によってアメリカ東海岸のニュージャージー州とニューヨーク州は多大な被害を被った。その支援のため、12月12日にマジソン・スクエア・ガーデンでチャリティーライヴが敢行。当日は全米で中継され、後に劇場公開された。

前半は、各地の被害状況、チャリティーライヴを開催するまでの準備などを捉えている。出演アーティストたちは、開催2日前からリハーサルを行い、そしていよいよ当日に。トップを飾ったのが、ブルース・スプリングスティーン。ヘッドライナーでもおかしくない人だが、ニュージャージー出身のこの人が最初に登場することで、ライヴの流れに大きな勢いをつけた。俳優のアダム・サンドラーが『Hallelujah』を「サンディ」バージョンの歌詞で歌い、ブルースと同じくニュージャージー出身のボン・ジョビも登場する。

ライヴの最中でも、バックステージの様子が適宜挿入される。サーバーがダウンして一時的に募金が受けられなくなったことへの対応、裏方に徹するベン・スティラーやウーピー・ゴールドバーグら、自分の出番を待つアーティストの表情などが捉えられ、ライヴとは別の意味合いを帯びて臨場感がある。

出演アーティストは、エリック・クラプトン、ローリング・ストーンズ、ザ・フー、ビリー・ジョエルといったビッグネームから、アリシア・キーズ、カニエ・ウエストといった若手どころまでとなっている。

こうしたイベントでしか実現しない、夢の共演もかなりある。ロジャー・ウォーターズのライヴでは、『Comfortably Numb』のときにパール・ジャムのエディ・ヴェダーとヴォーカルを分け合った。クリス・マーティン(コールドプレイ)のライヴでは、マイケル・スタイプを招いてR.E.M.の『Losing My Religion』をふたりで歌った。ウクレレの音色が心地いい原曲に対し、ここではクリスがアコースティックギターで応じていた。

そして、ポール・マッカートニーのライヴだ。後半でステージが暗転してセットチェンジがあり、ポールがMCでつなぐ。「とあるアーティストからジャムセッションに誘われ、やっていくうちに、ニルヴァーナ再結成に居合わせていることに気づいたんだ」と。ここでステージが明るくなり、デイヴ・グロール、クリス・ノヴォゼリック、パット・スメアの姿が。演奏したのはポールの曲でもビートルズでもニルヴァーナでもなく、新曲『Cut Me Some Slack』。グランジ色7割、ポールのポップセンス3割といったところだ。

チャリティー全体を収めた映像ということもあってか、完奏されない演奏シーンも少なくない。それが不満といえば不満で、1時間45分の収録時間を2時間30分くらいに拡大し、完奏と収録曲数を増やしてもよかったのでは、と思った。

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