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菅谷政子さん死去

公開日: : 最終更新日:2021/04/30 エースをねらえ!

劇場版 エースをねらえ!

声優の菅谷政子さんが、さる2月26日に亡くなられていた。83歳だった。ここ数年は、病気療養中だったとのこと。

菅谷さんは、1960年代から声優として活動されていた。女性役はもちろん、少年役を担うことも少なくなかった。個人的に、思い入れの深い役(作品も)は2つある。

ひとつめは、『エースをねらえ!』の愛川マキだ。主人公岡ひろみが、西高テニス部で宗方コーチに才能を見出だされ、もちろん本人の壮絶な努力もあって、成長していく物語だ。ひろみの先輩やライバル、男子部員たちは、後半になるとこぞってひろみを支える役割を務めることになる。しかし、マキはもともとひろみの親友であり、テニスに関してはひろみと格差ができてしまったものの、それでも2人の関係性が変わることはなかった。宗方も、ひろみのサポート役としてマキを認めていた。アニメはリメイクやOVAなど数種類存在するが、主要キャラクターで声優が交代しなかったのは、菅谷さんだけだったと思う。

もうひとつは、『家なき子』の主人公レミだ。捨て子だったレミはバルブラン家で育てられるが、旅芸人ビタリスに売られてしまう。誇り高いビタリスに芸と教育を受けるも、ビタリスが死に、野犬に襲われ、所持金もなくなり、など、こんな小さい子がどうしてこんな苦難に遭わなければならないのか、と、感情移入して観ること多々。一方ではミリガン家やアキャン家の人々、マチヤとの出会いもあり、不幸と幸福が交互に訪れる展開に。そして自身の出生の秘密を知り、本当の家族を探し求める旅にシフトしていく。菅谷さんの声は、どんな厳しい場面に直面しても決してあきらめない、レミのキャラクターに合っていた。

調べたら、『宝島』での海賊シルバーの妻、『忍者ハットリくん』で主人公ハットリくんの親友ケン一も担当していた。前者は大人の女性、後者はレミと異なり現代のふつうの少年だ。声自体は変わらないのに、それぞれの役に一体化しているのは、一流声優であることの証だと思う。謹んで、ご冥福をお祈りいたします。

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