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サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER

公開日: : 最終更新日:2021/01/29 サイボーグ009 ,

サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER

の代表作、『サイボーグ009』。何度もアニメ化されているが、2001年から2002年にかけては、テレビ東京で第3弾が放送されていた。第1弾は1968年に放送され、モノクロだった(ワタシは未見で、放送されていたという事実を知るのみ)。

第2弾は1979年から1980年にかけて放送され原作にはないオリジナルのストーリーがあるなど、それなりにブームにもなった。ワタシが見ていたのもこのときで、学校ではサイボーグ戦士9人の名前と出身国を暗記するのを友人と競うという、今思い出すと恥ずかしいことをやっていたが、それもいい思い出だ。

石ノ森は、高校生のときにの「鉄腕アトム」の制作を手伝ったこともあり、在学中にプロデビューを果たした、言わば「天才」だ。仮面ライダーを始めとする改造人間ものの原作をいくつも手がけ、晩年はテレビで不定期に放送された「HOTEL」の原作や「マンガ日本経済入門」といった、子供だけでなく大人の鑑賞にも充分たえ得る作品を書いていた。改めて言うまでもなく、日本を代表する漫画家のひとりである。

さて第3弾は、主題歌がGlobeだったりアニメのクオリティが向上したりして、制作側が21世紀の制作技術や時代感覚を持ち込んだ作りになっている。が、ストーリーは原作に忠実。秘密結社ブラックゴーストの兵器として作られた9人のサイボーグが脱走し、ブラックゴーストと対決する。

原作の連載開始は1964年だが、今の時代にも充分通用する優れた作品だ。改造人間になってしまった悲しみを背負いながら、戦いそして生きて行くという姿はまんま仮面ライダーだし、映画「ブレードランナー」のレプリカントを先取りしたとも言えるかもしれない(原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の刊行を調べたら1968年だった)。

第4話は、ブラックゴーストが刺客として0010(双子の兄弟)を仕向け、「裏切り者」となった9人と戦うというもの。第2弾では描かれなかったが、原作には存在するエピソードだ。0010は9人を凌駕する能力を備えていながら、その体が電気を帯びていることから、互いが触れ合ったときにショートして死んでしまう。兄弟なのに死ななければ触れ合うことができないという、改造人間であるがゆえの悲しみを浮き出している。

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