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ソング・トゥ・ソング(ネタバレあり)

ソング・トゥ・ソング(ネタバレあり)

音楽業界に出入りするフェイは、パーティーで知り合ったBVとつきあい始める。しかし彼女は、やはり業界人でBVの友人クックとの関係が続いていて、そのことをBVには言わずにいた。クックは恋愛はゲームと割り切っていて、レストランでウェイトレスとして働くロンダに声をかける。

やがてフェイはクックとの関係を終わらせるが、関係していたことをBVに話し、2人も結局別れてしまう。その後、BVはアマンダという女性と知り合い、フェイは犬の散歩をしていた女性ゾーイと親しくなる。

フェイを、BVを、クックをマイケル・ファスベンダー、ロンダを、アマンダを、ゾーイをベレニス・マーロウ(「007 スカイフォール」のボンドガール、セヴリン役)。主演クラスが顔を揃える超豪華キャストだが、ミニシアター上映に留まっているのは、かなり特殊な描写だからだ。

スイッチング(画面切り替え)が目まぐるしく、恐らくは時間軸もランダムになっているものと思われる。なので、ストーリーはいちおう上記の通りにあることはあるが、イメージ重視、雰囲気重視にした上で、観る側に解釈を委ねているのだ。彼女たちの心理について想いをめぐらせるが、他のキャストはともかく、フェイが何を思い何を考えているかは、さっぱりわからなかった。

アマンダはフェイと別れた後のBVに一生懸命対応しようとするが、BVの母には釣り合わないと言われてしまう。ケイト・ブランシェットがこういう役回りをするのは、珍しいと思った。いちばんわかりやすいのはロンダで、クックに見初められて交際するものの、奔放なライフスタイルのクックにはついて行けず、結局亡くなってしまう。明確な描写こそなかったが、自殺したのではないかと思う。

舞台は、テキサス州オースティン。クックとBVが音楽業界人の設定ということもあり、ロックフェスティバルのライブ映像が何度か観られる。また、バックステージでアーティストたちと対面したり会話したりするシーンがあって、個人的にはテンションが上がった。フローレンス・ウェルチ、(ジョシュ・クリングホッファー在籍時)らが出演。中でもは、役者としてフェイにアドバイスを贈ったり自分のバンドにギターで参加させたりと、かなり重要な役割を果たしている。

見終わった後、少し調べてみた。全米公開は2017年だが、撮影は2012年頃に行われたとのこと。オースティン・シティ・リミッツの2012年のラインナップを確認したところ、カメオ出演しているアーティストのほとんどがエントリーされていた。エンドロールにヴァル・キルマーの名前があって、どこに?と思ったのだが、ブッ飛んだアーティスト役で、歌いながら機材をチェーンソーで破壊していた。

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