*

007 ユア・アイズ・オンリー(1981年)

公開日: : 最終更新日:2023/02/14 ロジャー・ムーア ,

007 ユア・アイズ・オンリー(1981年)

英国の諜報船セント・ジョージが、何者かの攻撃を受けて沈没させられる。セント・ジョージにはミサイルを誘導できる装置ATACが搭載されていた。英政府の依頼で船を調査していたハブロック博士も、殺されてしまう。

ジェームズ・ボンドは博士殺しの実行犯ゴンザレスのアジトに潜入するも、捕まってしまう。しかし、ゴンザレスとその手下たちは次々にボウガンで殺害され、ボンドは脱出。博士の娘メリナが、父だけでなく母や仲間を殺された復讐を果たしたのだった。ボンドはゴンザレスには雇い主がいたはずだと考え、実業家コロンボから商売敵のクリスタトスが黒幕だと聞かされる。

ロジャー・ムーアがボンド役になってからのには、どこかに必ずコミカルな描写があった。しかし本作にはそれが見当たらず、徹底してシリアスだ。その象徴と言っていいのが、ボンドガールのメリナだ。当然美形だが、聡明なキャラクターで、肌の露出も最小限。半ばお約束になっている、ボンドとのキスシーンやベッドシーンもなかった(ラストでは、そうなることを匂わせる描写こそあるものの)。キャロル・ブーケというフランス人が演じていて、後にシャネルのモデルも務めたそうだ。

過去の作品との関連もある。冒頭、ボンドはテレサの墓参りをするが、これは「女王陛下の007」でボンドと結婚するも、スペクターの首領ブロフェルドに殺害されてしまった女性だった(このときのボンド役はジョージ・レーゼンビー)。その後ヘリコプターでに向かったボンドだが、ヘリを遠隔操作して墜落させようとしたのは、車椅子にスキンヘッドの男。どう見てもブロフェルドだが、劇中では顔も名前も明かされずじまいだった。

主題歌がシーナ・イーストン、決戦の地がギリシャの世界遺産メテオラになっているなど、話題に事欠かない。映像も、一部のハメコミを除けば鑑賞に耐えうるクオリティだ。また、劇中ではボンドの上司Mは休暇中ということになっているが、実のところは俳優のバーナード・リーが撮影前に亡くなったのだそうだ。この人は、Qのデスモンド・キュウェリン、マネーペニーのロイス・マクスウェルと共に、ボンド役が交代しても出続けていた人だった。

関連記事

007 死ぬのは奴らだ(1973年)

カリブ海の小国サンモニクを調査していた3人の英国諜報員が相次いで殺され、ジェームズ・ボンドは

記事を読む

007 ムーンレイカー(1979年)

アメリカからイギリスに空輸中のスペースシャトル「ムーンレイカー」が、何者かに強奪された。ジェ

記事を読む

007 黄金銃を持つ男(1974年)

MI6に、「007」と刻印された黄金の銃弾が届く。殺し屋スカラマンガによるジェームズ・ボンド

記事を読む

007 私を愛したスパイ(1977年)

核を搭載したイギリスとソ連の潜水艦が、突如消息不明に。MI6のMはジェームズ・ボンドを呼び出

記事を読む

007 美しき獲物たち(1985年)

ソ連国内でICチップを持ち出したMI6のエージェント003は、ソ連軍に追われるうちに雪山で遭

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑