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リミッツ・オブ・コントロール(2009年)

リミッツ・オブ・コントロール(2009年)

スペイン。「自分が偉大だと思っている男を墓場へ」という依頼主のことばを受け、殺し屋の男は何人かのコードネームを持った仲間たちから、マッチ箱に入った暗号を受け取り、標的へと近づいていく。キャストはジャームッシュ作品ではお馴染みの人ばかりで、殺し屋(劇中で名前は明らかにされない)にはイザック・ド・バンコレ、標的となる男はビル・マーレイ。以前「ミステリー・トレイン」で出演した工藤夕貴も、殺し屋の仲間のひとりとして出演している。

ジャームッシュ作品ではほぼ毎度のことだが、作品が説明的になることをひたすら避け、観る側に解釈を委ねている。殺し屋は常にエスプレッソを2杯オーダーし、仕事中は携帯電話を使用させないことを自分だけでなく仲間にも強いる。仲間も、殺し屋に接近する都度殺しとは直接関係のない話をしながら、マッチ箱を交換する。

説明のない中で、こうした状況や雰囲気、仕草などを認め、受け入れ、楽しむことができるか、それともできないか。それにより、この作品は傑作にも駄作にもなる。ワタシはジャームッシュがこういう人だというのを知った上で観ているので楽しんだが、やはり観る人を選ぶ作品なのではないだろうか。

音楽が、なんと日本のバンドBorisだった。アイシスのオープニングアクトでライヴを観たことがあるが、退廃的な世界観は作品の雰囲気にマッチしていたと思う。

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