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コーヒー&シガレッツ(2003年)

コーヒー&シガレッツ(2003年)

コーヒーとタバコを介し、俳優やアーティストたちが会話する11本のショートストーリーを集約した構成だ。年代はばらばら、それぞれのストーリーでは舞台が大きく変わることもなく、一見地味に思える内容だ。しかし、演者たちの淡々とした中でのコミカルなやりとりと絶妙な間が痛快な、洒落た映画と言えよう。

監督はジム・ジャームッシュ。映画だけでなく音楽PVの監督も手掛け、アーティストに対するこだわりや愛情の深さも並々ならぬ人だ。登場する顔ぶれは、この人の作品には度々出演している、言わば「ジャームッシュ・ファミリー」が多い。

ワタシが気になったのはアーティストたちが登場する編で、イギー・ポップとトム・ウェイツ、ウータン・クランの2人と俳優ビル・マーレイ、ホワイト・ストライプスのジャックとメグのやりとりを興味深く楽しんだ。ステージ上では暴れに暴れているイギーが、淡々とコーヒーを飲み、話をしているのがとても新鮮に見えた。かなり以前から老け顔だったトム・ウェイツよりも、イギーの方が年上だった(笑)。

俳優陣では、「スパイダーマン2」でドクター・オクトパスを演じたアルフレッド・モリーナと、「24アワー・パーティ・ピープル」で主人公トニー・ウィルソンを演じたスティーヴ・クーガンとのやりとりが面白かった。アルフレッドが自分たちはいとこ同士だと話して距離を縮めたがるも、クーガンは距離をおきたがる。しかし、アルフレッドが著名な映画監督と知り合いとわかるや、一転して歩み寄ろうとする。演技とはえ、クーガンはよくこんな役引き受けたなと思う。「いとこ同士」をテーマにしたのはもう一編あって、ケイト・ブランシェットがひとり2役をこなしている。「アイム・ノット・ゼア」でのボブ・ディラン(のような男)役といい、怪演女優だ。

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