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デッド・ドント・ダイ(ネタバレあり)

デッド・ドント・ダイ

アメリカの田舎町、センターヴィル。夜になってもなかなか日が沈まない、スマートフォンやテレビが突然壊れる、動物たちが失踪する、などの異常な状況が発生。その翌朝、町に一軒だけのカフェのオーナーと店員が、血まみれの死体で発見される。

保安官のクリフとロニーは、調査を開始。墓地で2つの穴を見つけ、死者がゾンビになって人を食い殺したと考える。ゾンビの噂は町中に広まり、そしてその夜、墓地からは無数のゾンビが起き上がり、街中へと繰り出していく。

ざっくりで言ってしまえば、ぜんぜん怖くないゾンビ映画だ(笑)。センターヴィルの住人たちは、一風変わったクセ者ばかり。雑貨店を営む青年ボビーは映画オタク、葬儀屋の女性ゼルダは日本刀の使い手、山にひとりで住む世捨て人のような老人ボブなど。ロニーは、ゾンビは頭を狙えと冷静だ。

監督はジム・ジャームッシュ。説明を廃し、状況描写によって観る側に解釈を委ねる手法は、独特の雰囲気を生み出すことに成功している。ただ、今回はクライマックスでボブによるナレーションが入り、ちょっとびっくりした。

キャストは、これまでジャームッシュ作品に出演した俳優を集中させている。クリフはビル・マーレイ、ロニーはアダム・ドライバー、ゼルダはティルダ・スウィントン、ボブはトム・ウェイツ、最初に出るゾンビのひとりがイギー・ポップだ。

ジャームッシュは音楽の憧憬が深い人でもあるが、トム・ウェイツとイギー以外にもアーティストが出演している。自動車で旅行しセンターヴィルに滞在する3人組のひとりを演じているのが、セレーナ・ゴメス。ウータン・クランのRZAも、ちょこっとだけ出演している。

映画のタイトルにもなっている同名の曲『The Dead Don’t Die』が、クリフとロニーが乗るパトカーのカーステなど、劇中で何度か流れる。調べてみると、歌っているのはグラミー受賞歴もあるカントリーシンガーのスタージル・シンプソンという人で、ジャームッシュのラブコールに応えてこの曲を書き下ろしたほか、ギターを引きずったゾンビ役で出演もしている。

センターヴィルは、架空の町のようだ。検索すると、自由が丘にある動物病院がヒットした(笑)。

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