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PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR

公開日: : PSYCHO-PASS サイコパス

PSYCHO-PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR

1時間枠の全8話で放送されたテレビ版「サイコパス3」の続編が劇場公開されたが、Amazonプライムでも編集版と銘打って前編・中編・後編の3つのパートとして公開されていて、コチラを観た。

テレビ版ラストの六合塚の事故は梓澤による罠で、梓澤はパスを奪うと公安局ビルに侵入。コンピューターをハッキングしビル内のシステムを掌握する。下層階の職員を監禁して人質にすると、公安に対して東京都知事小宮カリナの辞任を要求する。公安二係は脱獄した犯罪者たちによって壊滅、三係は外にいたが、ビルに入れない。

一係の面々の多くはビル上層階にいたため難を逃れ、システムが使えない中で小宮の護衛と梓澤への対応を進める。炯は自宅にいたが、外務省の狡噛や宜野座らと合流し、ヘリで屋上から侵入を試みる。そして、灼は梓澤によって拘束されていた。

前半は、梓澤にいいようにやられっぱなしだ。しかし、格闘と頭脳戦、そして心理戦を互いに繰り広げる中、一係は徐々に形勢を盛り返していく。それでも梓澤の余裕は揺らぐことはなかったが、それは梓澤の狙いがビフロストやコングレスマンという枠組みとは別のところにあったからだ。しかしクライマックスで目的となる対象に拒絶されたとき、はじめて感情をあらわにする。

観る側としてはやはり公安の側からになってしまうが、本作のサブタイトルが「FIRST INSPECTOR」とあるように、実質的な主人公は梓澤ではないかと思わされる。第1期の槙島、第2期の鹿矛囲のような、美形で、悲しい境遇があって、しかし結局は歪んでいるというキャラクターとは大きく異なり、見るからに腹黒くて非情な策略家は、悪人の典型のようだ。しかし、どこか人間臭さも漂わせている。

今回、主要キャラクターは誰も死んでいない。第1期で縢や征陸が、第2期で東金朔夜(この人の場合事情が複雑だが)が死んでいったのとは、少し様子が異なる。灼の、人を殺さずに裁くという姿勢を象徴しているように思え、それは彼を公安に推薦した常守朱の意思を継承しているようにも思える。

また、決着はついたものの、依然として解明されていない謎がいくつかある。灼は父の事件に少しだけ近づいたが、炯の兄との関わりの真相にはまだたどり着けていない。朱が監禁された事件とは何だったのかも、明らかにされていない。外務省で狡噛や宜野座の上司であるフレデリカにも、何か意味深な過去がありそうだ。というわけで、物語はまだまだ続く。

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