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バービーボーイズ(BARBEE BOYS)@国立代々木競技場第一体育館

公開日: : 最終更新日:2020/01/14 BARBEE BOYS

バービーボーイズ(BARBEE BOYS)@国立代々木競技場第一体育館

フェスやテレビ番組などへの出演はぽつぽつあったが、単独公演となると約10年ぶりだそうだ。そして、今回の公演にはいろいろと力が入っている。WOWOWで生中継されること、全国の映画館でライブビューイングがされること、入場者全員に「お土産」が配布されること、バンドの楽器セットをミニチュア再現した「It's a Small World」というコーナーが設けられていることなどだ。

定刻を5、6分ほど過ぎたところで、客電が落ちた。ステージ正面には幕がかかっていたが、ワタシのポジションは向かって右側スタンド席で、幕の内側のステージが見える状況だった。暗がりの中、メンバーがスタンバイするのが見えた。

ウォッ、ウォウオーオ
ウォッ、ウォウオーオ

来た。来た。KONTAと杏子がこのサビ前を何度か繰り返した後に、『女ぎつね on the Run』でスタート。このオープニングを、3分の1の確率ながらワタシは予想していた。あとの2曲は、10年前のオープニングだった『もォやだ!』、そして去年リリースされた新譜から『無敵のヴァレリー』だ。

代表曲の『女ぎつね』を最初に持ってくるのは意表を突く大技だが、バンドがコレをやったのには納得できた。場内のみならず、WOWOW生中継やライブビューイングで観ている人たちにもインパクトを与え、そして引き込むには、最も有効な曲だからだ。少なくとも会場内は、当然のように一瞬で興奮の坩堝と化した。

『使い放題tenderness』 『泣いたままでlisten to me』と畳み掛けた後、KONTAのMC。ライブビューイングされている全国の地名を、全て言い切った。そして『くちにチャック』『midnight peepin'』と、ライブで演るにはレアの部類に入るであろう曲を披露する。

ステージは、六角形のオブジェ(蜂の巣かな)が並び立ち、後方にスクリーンがあって、ステージ上のメンバーを映し出す。また、サイドにも小さなスクリーンがあり、ワタシの位置からはコチラの方がよく見える。視線は、ステージ上と交互に移動する格好に。生中継もあってか、カメラの台数はハンパなく多かった。

KONTAははじめ黒の毛皮のコートを纏っていたが、やがて脱ぎ捨て革ジャケ姿に。イマサは黒のロングコート、エンリケは白シャツにハーフコートくらい丈のある黒ベスト姿、ドラムのコイソは黒に銀ラメの入ったスリーブレスのシャツ姿だ。

そして杏子だが、黒白ツートンのロングスカートに黒ジャケット姿だ。そして、曲は『STOP!』。彼女がステージ前方に乗り出して歌い、男性陣4人が中盤に固まって演奏。女が男を従えているようにも見える構図になった。

解散以降、不定期に再結成しライブを行っているバービーだが、今回の公演はそれ以前とは決定的に異なる点がある。実に29年ぶりとなるアルバム『PlanBee』 を、昨年暮れにリリースしたのだ。『CRAZY BLUE』『無敵のヴァレリー』と続け、前者は2009~2010年ツアー時に書かれていた曲の正式レコーディング、後者はアルバムのリードトラックになる。以前のバービーの曲と変わらない感触があり、キャリアの一角を飾れるレベルにあると感じている。

『タイムリミット』では、杏子はスカートをはずしジャケットも脱ぎ捨て、赤と黒のボディコン姿に。歌い終えると、ステージ後方に捌けていった。続く『ダメージ』はほぼほぼKONTAがリードヴォーカルだが、終盤に杏子のパートがあって、衣装替えしステージに生還した。

イマサとエンリケはそれぞれアコギとアコースティックベースを抱えて椅子に腰掛け、つまりアコースティックコーナーに。『chibi』は独特のアレンジになり、KONTAはリコーダーを吹いた。続くは、イマサが歌う『カリビアンライフ』。この人が歌う曲はいくつかあることはあるが、ライブで披露されるのは珍しいと思う。

『なんだったんだ?7days』のアコースティックアレンジは、とても新鮮。「オオーオーオー」のフレーズは途中から場内の大合唱となり、イマサとエンリケはギターとベースをエレクトリックに持ち替えていた。そして、終盤は通常モードに。まるで組曲のような、とてつもないスケール感のある曲に化けてしまった。

終盤は、『目を閉じておいでよ』から畳み掛けるような怒濤の攻めとなり、『負けるもんか』を経て『翔んでみせろ』で本編を締めくくった。アンコールで、杏子とコイソは衣装替えしていて、コイソはブルーのラメのスリーブレスシャツに。ド派手だ。『ぼくらのバックナンバー』と『チャンス到来』を演奏。前者は『PlanBee』のオープニング曲、後者はお馴染み曲のひとつだが、両者の曲調は似通っていて、続けるのは正しいと思う。セカンドアンコールにしてオーラスは、『C'm' on Let's go!』。アッパーなノリにて、ライブは終了した。

セットリスト
女ぎつね on the Run
使い放題tenderness
泣いたままでlisten to me
くちにチャック
midnight peepin'
STOP!
CRAZY BLUE
無敵のヴァレリー
タイムリミット
ダメージ
chibi
カリビアンライフ
なんだったんだ?7days
目を閉じておいでよ
ノーマジーン
三日月の憂鬱
負けるもんか
翔んでみせろ

ぼくらのバックナンバー
チャンス到来

C'm' on Let's go!

終演後会場を出ると、なんと「暗闇日報」が配布されていた。かつてはファンクラブ向けの会報だったと聞いているが、見てみると今日の日付での号外になっていて、オリンピックイヤーと会場に掛けて「代々木でも金」という大見出しに。メンバーの近況やアンケートのほか、広告を含めてバービーネタ満載で、ファンなら読んでニヤニヤすること間違いなしだ。

暗闇日報 号外

さて、帰宅後「お土産」を開封。『PlanBee』とは異なるCDとは聞いていたが、以下2曲が収録されていた。

01.あいさつはいつでも
02.まかせてTonight

お土産CD

01は、これまでベスト盤のみに収録。02は、ライブDVDに収録されたのみ。つまり、ライブではお馴染みの曲でありながら、実質的には正式収録されていない2曲だ。早速聴いてみたが、まぼろしというか、アナザーサイド感があっていい。定番だけでなく、こうした側面を持っているのもこのバンドの魅力のひとつで、それをこうした形で出してくれるのが、たまらなく嬉しい。

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