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Cocco『20周年記念 Special Live at 日本武道館 2days ~一の巻×二の巻~(DVD)』

公開日: : 最終更新日:2020/09/02 Cocco ,

Cocco『20周年記念 Special Live at 日本武道館 2days ~一の巻×二の巻~』

2017年7月、デビュー20周年を迎えたCoccoが日本武道館で2つの公演をおこなっていた。ライブはCDおよびDVDとしてリリースされていて、今回DVDを観た。

ディスク1は、「一の巻」と題された7月12日の公演。彼女のキャリアは2001年でいったん休止していて、2006年より再開。この日は、休止前に活動を共にしていたメンバーをバンドに迎えていた。オープニングはリハーサルや楽屋での光景で、彼女がメンバーひとりひとりとハグしてからステージに向かう。きっと、ルーティーンなのだろう。

『カウントダウン』でスタートするが、カメラのスイッチングが忙しすぎて観ていて疲れる。客席をほぼ映さないのはいいが、正面のショットは少なく、左右真横のショットやドラマーの後方からのショットなどもあった。序盤は『けもの道』『走る体』と、激しくそして疾走感に溢れる曲が続き、ライティングもド派手で激しく切り替わっていた。

グダグダなメンバー紹介(笑)やCoccoのMCも、収録されていた。一の巻のバンドはDr.Strange Loveの根岸と長田、ムーンライダースの白井良明など大御所ばかり。彼らの後押しを受けているCoccoだが、見ようによっては彼らに負けじと張り合っているようにも見え、それが激しさと緊張感を生み出している。また、この日のバンドにはエレキバイオリンの武藤祐生がいたのが特徴だ。『カウントダウン』『強く儚い者たち』のイントロは、この人による音色が心地よかった。

『音速パンチ』からギアが一段入り、ショウが後半に差し掛かったことを感じさせる。そして、『焼け野が原』『風化風葬』の畳み掛けは圧巻だった。どちらも、2001年に彼女が自身の活動を終わらせた時期の曲であり、さまざまな感情を超越した悟りの境地を感じるからだ。そしてこの2曲は、個人的にCoccoベスト3に入る。そして幕引きは、意外な『もくまおう』だった。

続いては、「二の巻」を収録したディスク2。ディスク1と同じくリハーサル風景からスタート。Coccoは裸足でステージに立つのだが、リハでは靴を履いていた。ステージ袖には長身の青年がひとりいて、どうやら息子らしい。

この日は、現在彼女を支えるバンドメンバーとのステージだ。しかし、序盤からとんでもないことになった。オープニングが、「一の巻」で終盤クライマックスだった『焼け野が原』で、続けて『ドロリーナ・ジルゼ』に、イントロリフはギターでの『強く儚い者たち』、更に『遺書。』と、まるでライブの終盤かのような怒濤の攻めに、ぶったまげてしまった。『遺書。』は個人的に最も好きなCoccoの曲で、そして「一の巻」では演奏されなかったので、歌ってくれて嬉しかった。

中盤、「あの子たち元気にしてるかな」と言って始めたのが『Heaven’s Hell』。「あの子たち」とは、Coccoが活動休止期間中に沖縄でゴミゼロ大作戦を決行した際、この曲を共演した地元の中高生たちのことだろう。彼女の全楽曲の中でも大作の部類に入り、そしてライブでも滅多に演奏されない。それだけに、伝家の宝刀を抜いたかのような切り札感がハンパない。

Singer Songerの『オアシス』や『絹ずれ』島言葉バージョンなどを組み込みつつ、終盤はまたも怒濤の展開に。『BEAUTIFUL DAYS‎』は、ここでライブが終わっても申し分のない密度の濃さで、実際彼女はいったんステージから捌けるのだが、白いロングドレスへの衣装替えだった。そして『blue‎ bird』で、イントロ部や間奏で彼女は天女のように舞っていた。『Never ending journey』もクライマックスモードで、そしてラストは『有終の美』で締めくくった。

ワタシは、幸いにも2公演とも観る機会に恵まれた。「一の巻」はアリーナ3列目という至近距離で彼女の激しさを目の当たりにし、「二の巻」は1階スタンド席に陣取っていて、特に序盤に打ちのめされた(フジロックでもこれぐらい攻めてほしかった)。

改めてDVDとして観る楽しさは、客席からではなかなか伺いにくいCoccoや各メンバーの表情、仕草、機材といった細かいところをアップで見られること、そして、ライブを追体験できることだと思っている。「一の巻」は追憶のようでいてリアリティーがあり、「二の巻」は現在の彼女に直結した姿勢の共有だった。そしてこれからも、彼女の旅は続くはずだ。

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