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U2『Elevation 2001 : U2 Live From Boston』

公開日: : U2

U2『Elevation 2001 : U2 Live From Boston』

U2のエレヴェイションツアーから、2001年6月のボストン公演のライヴDVDを観た。会場は地元のNBAチームのホームでもあるアリーナで、U2のライヴにしては密閉感がある。

まずは、本編のディスク1。『Stuck In A Moment You Can’t Get Out Of』『Kite』『New York』など、当時の新譜『All That You Can’t Leave Behind』からが中心になる。『In A Little While』では、ボノがラモーンズのジョーイ・ラモーンに対する想いと、この曲を彼の前で聴かせたことを語ってから始まった。

初期の曲からは、デビューアルバムから『I Will Follow』、そして『War』から『Sunday Bloody Sunday』、『The Unforgettable Fire』から『Bad』など、なかなかツボを得たセレクトがされている。特に『Sunday Bloody Sunday』だが、バンドは10年以上ライヴの場ではこの曲を封印していて、エレヴェイションツアーで久々に演奏したとのことだ。また中盤では、花道で『Desire』と『Stay(Faraway,So Close!)』を披露。特に後者はボノとジ・エッジ2人だけのシンプルな演奏で、時間が止まったかのような錯覚に陥ってしまった。

アンコールは、まずスクリーンにチャールトン・ヘストンが映る。マイケル・ムーアが映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』でも追い詰めていたように、当時のアメリカの銃規制反対団体のシンボル的存在だった。この人の無神経なコメントの後、小さな子供が銃を手にする映像になったところで『Bullet The Blue Sky』のイントロが響き、演奏が始まるという具合。U2の政治性を帯びたメッセージは、未だ輝きを失わない。『With Or Without You』では、ボノはひとりの女性を引っ張りあげて一緒に花道に寝そべりながら歌い、『The Fly』は原曲とはかなり異なるアレンジで演奏された。

メイキング映像では、クルー目線による舞台裏が確認できる(日本盤なのに字幕がなく、ブックレットに対訳が記載されてはいるが、字が小さくて読みにくい)。ステージセットのクルーとは別に、この公演の撮影クルーが動員されていた。事前の打合せや指示出しなど、結構緊迫している。本編ラストの『Where The Streets Have No Name』演奏時にテレビ局の生中継が入り、会場内のみならず全米が熱狂を共有した。時系列的にはこの3か月後に同時多発テロが発生し、翌2002年のNFLスーパーボウルハーフタイムショウにU2は出演する。

ディスク2は、パッケージには240分(!)と明記されていて、一瞬あせる。その内容だが、ライヴ19曲のうち12曲を抜粋したダイジェスト版を3種類のマルチアングルで楽しむメニューがあり、各67分なのでこれで201分。そのほかは、ダブリンのホテル屋上で演奏した『Beautiful Day』、ツアー初日マイアミ公演の『Elevation』、『Stuck In A Moment You Can’t Get Out Of』の別バージョンPV、Zoo TVツアー、ポップマートツアーの予告映像(当時、映像媒体はVHSからDVDに移行する時期で、この2つのツアー映像はVHSのみの流通だったと思う)が収録されている。

目玉はマルチアングルで、本編と同一、ミキシングルームでのクルーの様子、そしてハート型花道の内部にスタッフが潜り込んで撮影した模様を、適宜切り替えながら楽しむことができる。花道内のアングルは、自分がその場にいるような臨場感を味わえる。

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